■買うことを決定する者■~拒否権の発動を防ぐ。~
おはようございます。 秋らしい空気の川崎の朝です。 今日は中秋の名月、まんまるなお月さんが見えそうですよ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ マーケティングの八つの現実 ⑦決定権をもつ者、拒否権をもつ者 ここまで見てきた現実は、誰が顧客かがわかっているという前提であったが、 マーケティング的アプローチでは、誰が顧客かはわからないという前提に立たなければならない。 顧客は、あらかじめ企業が特定できるものではなく、そのとおりになるわけではない。 顧客とは、支払う者ではなく買うことを決定する者である。 この購入の決定権をもつ顧客は、最終購入者と流通チャネルの少なくとも二人いる。 【CASE】 缶詰メーカーの例 主たる顧客は主婦と食品店の二人である。 食品店が陳列してくれなければ主婦が購入してくれない。 主婦が購入してくれなければ、食品店の陳列棚から排除される。 いずれが、より重要であるかは、多くの場合簡単には決められない。 この二つの顧客は、それぞれに合理的な判断基準を持っているので、 双方の拒否権を防ぐために、顧客満足を果たさなければならない。 「それぞれのレベルのそれぞれの顧客が それぞれの欲求、習慣、期待、価値観をもっている。 少なくとも拒否権を発動されることのないよう、 彼らすべての顧客を満足させなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第6章 顧客が事業である)