■何が産業革命をもたらしたか■~知識の適用こそが源泉~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
1750年からの150年間に、
資本主義と技術革新は、新しい世界文明をもたらしたが、
それらは、あらゆる時代、地域で見られた。
しかし、この150年間の資本主義と技術革新は、
その広がりの速度と、文明、階層、地理を超えた到達度は、
それまでの例と異なる。
まさに、この伝播の速度と到達度こそが、
技術革新を産業革命に変えた。
この大きな転換は、知識の適用こそが源泉である。
ドラッカーはこの転換のプロセスを三段階で説明する。
【第一段階】知識は100年にわたって、道具、工程、製品に適用され、産業革命が生まれた。
同時に、カール・マルクス(1818~1883年)の疎外、階級闘争、共産主義がもたらされた。
【第二段階】1880年ごろに始まり、第二次大戦の末期を頂点として、知識が、仕事に適用された結果、
生産性革命がもたらされた。
この75年間、プロレタリア階級は、上流階級に匹敵した所得を手にするブルジョワ階級となった。
"こうして生産性革命が、階級と闘争と共産主義を打ち破った。"
【第三段階】第二次夫戦後、知識は知識そのものに適用されるようになった。それがマネジメント革命だった。
知識は、土地と資本と労働をさしおいて、最大の生産要素となった。
まだ、今の時代を知識社会と呼ぶのは尚早であり、
傲慢でさえある。
知識経済をもつにすぎないと言えるが、
社会が、すでに資本主義社会でないことは間違いない。
「東西両洋において、
知識とは常に存在に関わるものだった。
ところが一夜にして、それが行為に関わるものとなった。
知識は資源となり、実用となった。
常に私的な財であった知識が、
ほとんど一夜にして公的な財になった。」
~『プロフェッショナルの条件』
(1章 ポスト資本主義社会への転換)
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