■熟練なるものは存在しない■~砂をシャペルですくう努力~


おはようございます。
薄雲の川崎の朝。

九州で梅雨明け、関東地方も間もなくだろう。
いよいよ暑い夏に突入する。

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∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬



テイラーは、知識に関わる歴史において、
最も大きな影響を与えた者と言えるが、
同時に、彼ほど意図的に誤解され、
言葉が誤用された者もいなかった。

その原因は、彼の見解が正しく、
他の知識人が誤っていることを証明されたことにより
反感を招いたことにある。
他の知識人には、仕事に対する軽侮の考えが根強く残っていたのだ。

テイラーの分析活動は、砂をシャペルですくうことに似ていた。

しかし、このテイラーの苦境を招いた本質的な原因は、
仕事の研究に知識を適用したこと自体にあった。

このことは、特に労働組合にとって、
許せるものではなかった。

単純労働は、熟練ではなく、知識によってこそ
その生産性を高めることができる
としたことにある。

”労働組合にとって、彼の罪は、
熟練なるものは存在しないと断言したことにあった。”



「彼にとって、肉体労働に関しては仕事があるだけだった。

 そして仕事のすべてが分析可能だった。」

~『プロフェッショナルの条件』
  (1章 ポスト資本主義社会への転換)































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