■熟練なるものは存在しない■~砂をシャペルですくう努力~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
テイラーは、知識に関わる歴史において、
最も大きな影響を与えた者と言えるが、
同時に、彼ほど意図的に誤解され、
言葉が誤用された者もいなかった。
その原因は、彼の見解が正しく、
他の知識人が誤っていることを証明されたことにより
反感を招いたことにある。
他の知識人には、仕事に対する軽侮の考えが根強く残っていたのだ。
テイラーの分析活動は、砂をシャペルですくうことに似ていた。
しかし、このテイラーの苦境を招いた本質的な原因は、
仕事の研究に知識を適用したこと自体にあった。
このことは、特に労働組合にとって、
許せるものではなかった。
単純労働は、熟練ではなく、知識によってこそ
その生産性を高めることができる
としたことにある。
”労働組合にとって、彼の罪は、
熟練なるものは存在しないと断言したことにあった。”
「彼にとって、肉体労働に関しては仕事があるだけだった。
そして仕事のすべてが分析可能だった。」
~『プロフェッショナルの条件』
(1章 ポスト資本主義社会への転換)
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