■新たな秩序の誕生■~スピードゆえの傷~
おはようございます。 雲の多い、すっきりしない川崎の朝。 奄美地方が梅雨明け、例年より2週間遅いらしい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 産業革命と資本主義に対する抵抗は世界中で見られた。 この前例のない転換の速度が、 新たな秩序の誕生をめぐる社会的緊張と対立をもたらした。 しかし工場労働者が、工業化以前よりも生活水準が低く、 辛い生活を送らざるをえなかったという通念は、 事実に反することを知っている。 生活は辛かったが、 田舎社会の底辺にとどまるよりも楽であり、 以前よりも高い生活水準を手に入れた。 工業化は、マルクスのいう窮乏化ではなく、 物質的な改善を意味した。 その変化のスピードゆえの傷は避けられなかったのだ。 マルクスによれば、新しい階級としてのプロレタリアは、 疎外され搾取され続けるはずだった。 この予言が間違っていたことは明らかであるが、 それは今だから言えることにすぎない。 当時多くに知識人は、資本主義の矛盾についての マルクスの分析を受け入れていた。 「工業化は最初から、マルクスのいう窮乏化ではなく、 物質的な改善を意味した。 変化のスピードは速かった。 したがって、その変化のスピードゆえの傷は避けられなかった。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (1章 ポスト資本主義社会への転換)