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■新たな秩序の誕生■~スピードゆえの傷~

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おはようございます。 雲の多い、すっきりしない川崎の朝。 奄美地方が梅雨明け、例年より2週間遅いらしい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 産業革命と資本主義に対する抵抗は世界中で見られた。 この前例のない転換の速度が、 新たな秩序の誕生をめぐる社会的緊張と対立をもたらした。 しかし工場労働者が、工業化以前よりも生活水準が低く、 辛い生活を送らざるをえなかったという通念は、 事実に反することを知っている。 生活は辛かったが、 田舎社会の底辺にとどまるよりも楽であり、 以前よりも高い生活水準を手に入れた。 工業化は、マルクスのいう窮乏化ではなく、 物質的な改善を意味した。 その変化のスピードゆえの傷は避けられなかったのだ。 マルクスによれば、新しい階級としてのプロレタリアは、 疎外され搾取され続けるはずだった。 この予言が間違っていたことは明らかであるが、 それは今だから言えることにすぎない。 当時多くに知識人は、資本主義の矛盾についての マルクスの分析を受け入れていた。 「工業化は最初から、マルクスのいう窮乏化ではなく、  物質的な改善を意味した。  変化のスピードは速かった。  したがって、その変化のスピードゆえの傷は避けられなかった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■産業革命の本質■~社会と文明の転換~

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おはようございます。 昨日は、真っ青な空、真夏の一日でしたが、 今日は雲の多い、すっきりしない川崎の朝。 海や川での事故が増えてます、 お気を付けくださいね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 1700年以降、わずか50年間に、 テクネに体系を表わす接尾語ロジーを付けた テクノロジー(技術)が発明された。 この技能から技術への劇的な変化を示すものが 徒弟にならなくとも技能技術者になれることを目指した 『百科全書』である。 書いたのは、情報の専門家者たちである、 ヴォルテールやルソーである。 数千年にわたって発展してきた秘伝としてのテクネが、 初めて収集され、体系化され、公開されたのである。 これこそ、技術によって世界的規模で引き起こされた 社会と文明の転換の本質だった。 この技術変化の速さは、 職人では賄えないほどの資金需要を生じさせ、 量産のための工場を必要とした。 こうして、生産活動がほとんど一夜にして、 技能中心から技術中心になった。 そして、一夜にして、資本家が経済と 社会の中心に入り込んできた。 「経験を知識に、徒弟制を教科書に、  秘伝を方法論に、作業を知識に置き換えた。  これこそ、やがてわれわれが産業革命と呼ぶことになったもの、  すなわち、技術によって世界的規模で引き起こされた  社会と文明の転換の本質だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■知識が意味しないもの■~効用を与えるものは、テクネ~

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おはようございます。 まだ雲の多い川崎の朝です。 さっき4時40分福島沖で地震発生、 岩手の一部に津波による避難勧告が出た。 特に大きな津波の様子は見られないが、 十分な注意が必要、 地域の方はお気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ プラトンの時代以降、知識の役割についての理論は、 二つしか存在しなかった。 一つは、ソクラテスが示した、自己認識、つまり自らの知的、 道徳的、精神的成長にあるとしたもの。 もう一つは、プロタゴラスの、何をいかに言うかを知ることにあるとしたもの。 このように、知識が意味するものは異なっていたが、 知識が意味しないものについては完全な一致があった。 知識は、行動につながらず、 なにものも生み出すことはないということである。 それらをなし得るものは、技能(テクネ)だった。 テクネとは、特定分野に関する処方箋であり、 例えば、ギリシャーシチリア航路について船長が知っていることは、 他の分野に応用できなかった。 そして、テクネは、言葉や文字では説明できず、 身をもって示すものを、徒弟となり、 経験を積むことでしか学ぶことはできなかった。 ”イギリスではクラフト(技能)という言葉がなく、 ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。” 「知識は、行為に関わるものではなかった。  知識は、効用ではなかった。  効用を与えるものは、知識ではなかった。  それは技能だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■知識の意味が変わった■~関係のない数多くの発展の合成~

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おはようございます。 台風の影響は幸い少なかった東京地方だが、 各地で被害が出ている。 お見舞い申し上げます。 記録的、百年に一度、未曽有などと表現される 気象現象がこのところ多い。 認識の切り替え、心構えが必要ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 歴史上の事件を見ると、その原因が一つであることは少ない。 それらは、たがいに関係のない数多くの発展の合成である。 資本主義を体制に変え、技術革新を産業革命にしたものも、 複数の関連性のない事象の合成だった。 カール・マルクスは、巨額の資本を必要とする蒸気機関が動力源となった結果、 生産手段が職人の手から資本家に移ったために、 資本主義が生まれたとした。 しかし、この変化が世界的な現象となった大きな要件は、 知識の意味が急激に変化したことにある。 「資本主義と技術革新が、  世界的な現象となるうえで欠かせない決定的に  重要な要件が一つあった。  それは、1700年ごろかその少し後、  ヨーロッパで広まった知識の意味における急激な変化だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■何が産業革命をもたらしたか■~知識の適用こそが源泉~

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おはようございます。 雲が多く、静かな川崎の朝。 各地で被害を出している台風8号の影響は まだこちらでは見られない。 週末にかけて、列島をゆっくり縦断することが予想される。 十分注意しましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬  1750年からの150年間に、 資本主義と技術革新は、新しい世界文明をもたらしたが、 それらは、あらゆる時代、地域で見られた。 しかし、この150年間の資本主義と技術革新は、 その広がりの速度と、文明、階層、地理を超えた到達度は、 それまでの例と異なる。 まさに、この伝播の速度と到達度こそが、 技術革新を産業革命に変えた。 この大きな転換は、知識の適用こそが源泉である。 ドラッカーはこの転換のプロセスを三段階で説明する。 【第一段階】知識は100年にわたって、道具、工程、製品に適用され、産業革命が生まれた。  同時に、カール・マルクス(1818~1883年)の疎外、階級闘争、共産主義がもたらされた。 【第二段階】1880年ごろに始まり、第二次大戦の末期を頂点として、知識が、仕事に適用された結果、 生産性革命がもたらされた。  この75年間、プロレタリア階級は、上流階級に匹敵した所得を手にするブルジョワ階級となった。   "こうして生産性革命が、階級と闘争と共産主義を打ち破った。" 【第三段階】第二次夫戦後、知識は知識そのものに適用されるようになった。それがマネジメント革命だった。 知識は、土地と資本と労働をさしおいて、最大の生産要素となった。 まだ、今の時代を知識社会と呼ぶのは尚早であり、 傲慢でさえある。 知識経済をもつにすぎないと言えるが、 社会が、すでに資本主義社会でないことは間違いない。 「東西両洋において、  知識とは常に存在に関わるものだった。  ところが一夜にして、それが行為に関わるものとなった。  知識は資源となり、実用となった。  常に私的な財であった知識が、  ほとんど一夜にして公的な財になった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■ポスト資本主義社会への転換■~われわれが経験しつつあるものは何か~

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おはようございます。 青空の広がる川崎の朝。 しかし、沖縄は暴風域に入った。 日本縦断のおそれあり、 接近地域の皆さんはお気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ これまでの歴史上、西洋では数百年に一度、 際立った転換が起こってきた。 ”世界は歴史の境界を越える。” この境界を越えたらその後の世代にとって、 それまでの世界は、想像することのできないものになる。 ドラッカーは現在、その転換期にあるとする。 この転換が終わった後が、”資本主義社会”の後の世界、 つまりポスト資本主義社会である。 「社会は数十年をかけて、  次の新しい時代のために準備をする。  世界観を変え、価値観を変える。  社会構造を変え、政治構造を変える。  技術と芸術を変え、機関を変える。  やがて50年後には、新しい世界になる。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■堂々と経営して、堂々と成果をあげる。■~自分が燃えるものを見つけなさい。~

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おはようございます。 まだ小降りの雨の川崎の朝です。 沖縄地方から段々と台風の影響で出始めます。 今週一杯で、日本列島縦断のおそれがあります、 予測不能の現象が多く、 十分に気を付けましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 最後に、著者が、ドラッカーから教わったことを 凝縮して紹介している。 ・経営とは人である ・重要なのは外の世界である ・未来を手にするためには過去を廃棄せよ ・利益は明日のための条件である ・強みに築け ・顧客に価値を提供せよ ・堂々と経営して、堂々と成果をあげてください ・いつまでも挑戦を続けなさい ・尊敬する人と仕事をしなさい 「仕事を楽しんでください。  そのために、強みを伸ばしなさい。  自分が燃えるものを見つけなさい。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■ドラッカーの最後の言葉■~どこにも行きはしないよ。~

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おはようございます。 雨の週末、湿気の多い川崎の朝です。 今日は我が社の年次総会、 気合を入れてこの一年を乗り切ろう! ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ この著書の最後に、作者エリザベス・ハース・イーダスハイムは、 ドラッカーの彼女への最後の言葉を記す。 「今日はこれでよいか。今日は少し疲れたようだ。  疲れてはいけないといわれている。  またいらっしゃい。いつでもここにいるから。  どこにも行きはしないよ。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題) ”ドラッカーはこの世から去った。 しかし彼は、これまでのマネジメント、いまのマネジメント、 そして明日のマネジメントに影響を与えつづける。”

■なすべきことをなさしめさせた者■~マネジメントを明らかにする~

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おはようございます。 薄暗い、川崎の朝。 酒場を放浪している吉田類さんが、 日曜日に、銀座の高知県アンテナショップで、 握手会を開くとのこと。 関東海援隊として、お手伝いしてこよう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 何をもって憶えられたいか? この質問は、もっとも重要で本質的な質問である。 この質問について、ドラッカー自身は、 「なすべきことをなさしめさせた者として憶えられたい」 と言ったという。 そして、目標管理その他ドラッカーが 生み出したマネジメント上の手法は、 たいして重要なことではなく、 自身の貢献は、仕事、機能、責任としての マネジメントを明らかにしたこと にあると語ったという。 ”それまでマネジメントとは部下をもつことであったが、 マネジメントとは成果をあげることである。” 「部下をもつことと成果をあげることとは違う。  しかし、このことはまだ十分に理解されていない。  その結果、ほとんどの組織が問題に人を張りつけ、  機会を放ったままにしている。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■一人ひとりがCEOである。■~変えるには勇気が必要~

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おはようございます。 昨日の夜は、涼しく梅雨を忘れる空気でした。 しかし週末に向かって、梅雨本番の天気らしいですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、キャリアは、自ら形成すべきものであり、 そのためには、自らが自らのCEOとならなければならないとした。 そして、転職や職種変更であっても、 それはすべて革命というべき快挙であるとする。 しかしキャリアを変え、 人生を変えるには勇気が必要であり、 そのためのリスクをとらなければならない。 そして、サラリーマンでありつづけることではなく、 常にコラボレーションの主体となることを 余儀なくされることとなる。 それは、CEOであるかのように考えなければならないことを意味する。 「キャリアは、計画してうまくいくものではない。  自ら形成すべきものである。  そしてそのためには、  自らが自らのCEOとならなければならない。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■人に影響を与え、影響を受ける。■~組織の目的、価値観、原則~

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おはようございます。 今日も朝から雲の多い、 すっきりしない川崎です。 日中は梅雨の晴れ間、 暑くなりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ CEOのなすべきことは、知識労働者にとって何を意味するか。 第三に、知識労働者は人に影響を与え、人から影響を受ける。 彼らは、組織の目的、価値観、原則を 自ら示すCEOからの影響も受ける。 そしてこのトップからの影響は、 仕事に情熱をもって取り組む彼らには、 特に重要だ。 知識労働者は、自らが強みとするものと 価値ありとするものからも影響を受けるからだ。 「CEOたる者は、  組織の目的、価値観、  原則を体現する存在でなければならない。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■何をもって貢献すべきか■~価値観の異なる組織~

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おはようございます。 雲の多い、すっきりしない川崎の朝。 さあ、今日から7月、我が社も新年度。 ドラッカーは、明日は分からないと言った。 言えるのは、今日とは違うことだけ。 わからないのであれば、作り出せばいい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ CEOのなすべきことを明らかにした。 では、それらは知識労働者にとって何を意味するか。 第二に、個の確立には、自ら価値とするものと 情熱の対象を知ればよいという。 ドラッカーは、価値観の異なる組織で働くことは間違いだという。 これまで、「何をもって貢献すべきか」を考える必要のある者は ほとんどいなかった。 なぜなら、農民や職人のように、 仕事上行うべきことは決められてたからだ。 しかし今日の知識労働者は、 これを考えなければならない。 そのためには、自らが強みとするものと 価値ありとするものを知らなければならない。 「今日の知識労働者は、  かつては聞かれたことのない問題に  答えることができなければならない。  「何をもって貢献すべきか」」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■一人ひとりがCEO■~カー・レーサーのビジョン~

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こんにちわ すっきりしない天気ですね。 いつ雷雨が来てもおかしくない、 との認識が必要ですね。 今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ CEOのなすべきことを明らかにした。 では、それらは知識労働者にとって何を意味するか。 ・第一:ビジョンをもつには、自らの組織がどこにいて、どこに向かっているかを知らなければならない。 ・第二:個の確立については、自らの価値観と情熱の対象を知ればよい。 ・第三:知識労働者は人に影響を与え、人から影響を受ける。 知識労働者のビジョンは、カー・レーサーのビジョンでなければならない。 ドラッカーは、全体を見、同時に眼前の問題と機会を見るためには、 自らを知る必要があるという。 ”自らの強み、価値観、情熱の対象、欠点を知らなければならない。” ドラッカーは、自らの強みを知る方法を次のとおり示す。 →期待する成果をメモする癖をつける。 →半年後、九か月後に実際の成果と比較する。 「お婆さんの運転を思い浮かべればいい。  いつも1メートル前の地面を見ている。  アクセルを踏む、ブレーキを踏む、ハンドルをとられる。  ところがカー・レーサーは、足下の感触を確かめつつ、トラック全体を見ている。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■自らの姿を鏡で見る。■~個の確立と人の重視~

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おはようございます。 青空の中に雲が浮かぶ、川崎の朝。 突然の雷雨のおそれもあります。 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、人の大切さを説きつづけ、 社員こそが最高の資産であり、 NPOのボランティアと同様に、 社員のことを考えるべきだとした。 そのためには、耳を傾け、目を開き、 それらを正しく解釈するために 時間をかけなければならない。 不確実性のなか、ビジョン、組織としての個の確立、人の重視こそが、 大事であり、そのいずれもCEOだけが担当できることである。 「組織としての個の確立のためには、  自らがそのモデルとなるべく  自らの姿を鏡で見なければならない。  人の重視のためには、人を敬い、  自らの組織を命あるものとして見なければならない。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■人を動かす■~個として、全体として~

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おはようございます。 梅雨空の川崎の朝、 週末のお出かけ、 天気の急変にご注意を。 ライオンのオスは、メスの連れ子を襲うという。 自分のDNAを残すという本能からだ。 昨日母親が夫の連れ子の女の子を殺すという事件があった。 イライラしたからだという。 人ではない、野生動物にも劣る。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ CEOは、社員に対して最大の影響力を持つ。 そして、その役割は、人を動かすことである。 ドラッカーは、その成果は定量的に表せないかもしれないが、 CEOにしかできないことであるとする。 「CEOとしてのあなたの最大の役割は、  人についてのものである。  それは、信頼の醸成であり、  人への敬意であり、コミュニティの形成である。  それらはあなたにしかできないことである。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■不祥事もCEOの責任■~「知らなかった」とはいえない。~

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おはようございます。 今日は晴天、気持ちの良い朝を迎えた川崎。 週末、お楽しみください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーはCEOがすべてを決めるとした。 そして、倫理的な基準もCEO次第であるとする。 利益があがることは、CEOの手柄であるかもしれない、 しかし、悪いこともCEOの責任である。 そのときCEOは「知らなかった」とはいえない。 ドラッカーは、無能な経営者への過度の報酬に警告を発し、 ”何千人もの人を解雇しつつ巨額の報酬を懐に入れることは、 倫理的にも社会的にも許されることではない”と声を荒げた。 そして、CEOが利益に目がくらむと、 株価に気をとられ、ミッションを忘れる。 また、企業とはコミュニティであり、 利益を得るための道具ではないとした。 ドラッカーは、CEOにも失敗もあれば嘘もあるだろうが 最も悪いのは、「何があったか知らなかった。だから罪はない」 という弁解で、 これこそが最大の罪であるとした。 「企業には責任者がいなければならない。  すべてを知り、起こることに責任をもつ者が  いなければならない。それがCEOである。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■CEOとはブランドである■~組織に個性を~

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おはようございます。 薄曇りの川崎の朝。 サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が 退任を表明した。 布陣、戦略、全ての責任はマネジメントにある。 「敗軍の将、兵を語らず」 潔し ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、組織をつくるのはCEOであるとした。 企業の規模に係わらず、CEOは”指紋”を残していく。 そして、その指紋は組織の未来を形づくる。 したがって、CEO自身の個性が組織の個性に反映され、 この個性が、組織にとって重要な武器になる。 ドラッカーは、組織は、社会的な正統性と共に、 価値観、ミッション、ビジョンを持つことが 重要な意味をもつとする。 「機会を見つけ、世の中を変えるのもCEOである。  組織を俊敏にし、競争力をつけるのもCEOである。  組織に個性を与え、組織を個たらしめる者がCEOである。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■ドラッカーから教わったこと■~いかに行うかではなく、いかにあるかの問題~

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おはようございます。 薄曇りの朝を迎えた川崎。 昨日の東京は、雹が雪のように降った。 浸水、電車遅れ騒ぎ。 当然でしょうね、準備してないものね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ■ドラッカーから教わったこと■~いかに行うかではなく、いかにあるかの問題~ ガール全米ガールスカウト協議会の 専務理事ヘッセルバインは、 ドラッカーの教えに従って、 ミッションは何か、あげるべき成果は何か、 女の子が立派に育ったことは どうしたらわかるかを問いつづけた。 ”立派な女性”は、料理や縫い物だけではなく、 会計、IT、健康等の知識が必要で、 20年前とは時代が変わったことを 知らなければならないと訴えた。 ”リーダーシップとはいかに行うかではなく、 いかにあるかの問題だ。 それが、私がドラッカーから教わったことだ。” 「考えなければならないのは、  私たちがどれだけ骨を析ったかではなく、  どれだけ成果をあげたかだ。  女の子たちがどう変わったかだ。  重要なのは成果だ。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■大切なことは全体を見ること■~前提を疑う~

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おはようございます。 今朝は晴れ、空気もすがすがしい川崎です。 死体遺棄、殺人という言葉が、毎日ニュースで飛び交う。 犠牲者は子供から、高齢者まで様々で、 理由の多くは、金銭、男女怨恨、猥褻。 まったく我慢がきかない。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬  ドラッカーは、大切なことは全体を見ることであるとした。 CEOほど全体が見られる立場の者はいない。 技術専門家は、難問は解けても 50年のトレンドを見ることはできない。 副社長は競争相手の動きには敏感であっても、 事業の全体を知らない。 しかも、内部と、外部を結びつける者がCEOである。 内部にはコストがあるだけで成果は外部にある。 外を見ることによって、 「われわれの事業は何か」 「何であるべきか」 「何であってはならないか」 という基本的な問いに答えることができる。 そして、これらに対する答えが、 企業の業容を定めるのだ。 ドラッカーは、「なされるべきことは何か」を 考えたことのないCEOが多すぎると警鐘を鳴らす。 「全体を見るということは、  『なされるべきことは何か』を考えることである。  外を見、前提を疑わなければならない。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)

■今世紀最大のフロンティア■~未完の最終章~

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おはようございます。 雲が多いが、明るい川崎の朝です。 W杯痛恨のドロー、あとは2点差勝利。 なくはない。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、GEのジャック・ウェルチ、アイゼンハワー大統領など 数百人に及ぶCEOに対してコンサルティングしてきた。 そして、晩年のドラッカーは、CEOの役割に最大の関心を持っていた。 CEOは、戦略的、道義的、人間的なリーダーシップを発揮しなければならない。 その彼らが過ちをおかしたとき、多くの人が害を受ける。 CEOのリーダーシップという課題こそが、 21世紀最大のフロンティアであると考えていた。 ドラッカーにとっての、「未完の最終章」だった。  ドラッカーは、CEOのもつべき特質は勇気だとした。 ”偉大な組織は勇気ある行動によって生まれる。 短期ではなく長期を選ぶには勇気が必要である。 チェンジ・リーダーとなるにも勇気が必要である。” 「CEOにはCEOの仕事がある。  それはCEOにのみできるCEOがしなければならない仕事である。  しかも今日では、あらゆる知識労働者がCEOのように考え、  行動しなければならない。」 ~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』   (第7章  21世紀の経営における最大の問題)