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■クララ・シューマンの弟子■~暗譜させられていたから~

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おはようございます。 東の空が薄っすらとピンクに 染まる川崎の朝です。 昨日は陽春の気候、今日も晴れますが、 風が強いため体感温度はぐっと下がりそうです。 油断無きように。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 おばあちゃんは若い頃、 クララ・シューマンの直接の弟子として、 ピアノを弾いていたが、 何度かブラームスの前で弾いたことが 最高の思い出だった、 とする。 そして、もちろん良家の子女として、 プロのピアニストになることは 許されなかったが、 夫が存命でまだ体の具合のよかった頃には、 コンサートで演奏していた、 と続ける。 音楽についての おばあちゃんの記憶は衰えることはなく、 あるときドラッカーが ソナタを練習していた時、 隣室にいたおばあちゃんが入ってきて、 ”変二”のところを”ニ”で弾いている、 と言った。 そこで楽譜の出版元に問い合わせしたところ、 おばあちゃんの言う通りだったという返事があった。   「「おばあちゃん、どうしてわかったの」と聞くと、  「あなたの歳の頃から弾いていたし、  あの頃は暗譜させられていたからね」が答えだった。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)        

■胃袋をつかむことが大事■~音楽を楽しめなくなったこと~

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おはようございます。 晴れ、暖かな川崎の朝です。 今日も暖かな一日となりそうですね。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーはさらに、 おばあちゃんに対して、 おじいちゃんに別れられてしまうとは 思わなかったのかと聞いたところ、 彼は夕食には戻ってきていたから 大丈夫と思っていたとし、 私は間抜けだけど、 胃袋をつかんどくのが大事だって ことぐらいは知ってたから、 と答えた。 おじいちゃんは、 かなりの財産を残したが、 おばあちゃんは、 インフレのためすっかり 貧乏になってしまったため、 大勢の召使いを抱えて アパートの二つの階を使っていたものが、 やがて、召使いの部屋二つを使って 一人住まいするようになった。   「体の具合も徐々に悪くなっていった。  だがおばあちゃんは、  関節炎と耳のせいで、  音楽を楽しめなくなったことを  こぼすだけだった。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)        

■おじいちゃんの最後の愛人■~ダグマー・グーグフェルテン~

おはようございます。 小雨が降る川崎の朝、 昨日の強風は止んだようですね。 昼間は晴れて、暖かい一日になりそうです。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ おばあちゃんは、 「ボンドさんは奥様の最後の愛人でした」 と言ったベールの人について、 根堀葉堀り開いた。 おばあちゃんは、 それはダグマー・グーグフェルテンだとし、 おじいちゃんは、 本当に彼女にとって 最後の愛人だったかもしれないと言った。 そだけど彼女は、 おじいちゃんの最後の愛人 じゃなかったのだよ、 と続けた。 ドラッカーは、 おじいちゃんにそんなに沢山愛人がいても 平気だったのかと聞いたところ、 おばあちゃんは次のとおり答えた。 「もちろん気になったわ。  でも、愛人も持てない人と  一緒になる気はなかった。  うちの人がどこで時間をつぶしているかも、  ろくろく知らなかったのよ」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)        

■艶福家のおじいちゃん■~奥様の最後の愛人~

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おはようございます。 心配された大雪ですが、 斜面に薄っすらとかかる程度で、 今は雨降りの朝です。 足元が滑りやすくなってるところも ありますので、十分気をつけて下さい。 火曜日今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ おばあちゃんの結婚生活は、 明らかに幸せなものだったようで、 寝室には亡夫の写真を飾り、 命日には部屋にこもっていた。 ところがそのおじいちゃんは、 有名な艶福家だった、 とする。 ドラッカーが七歳の頃、 大通りを歩いていると、 お抱え運転手付きの車が 追い越して止まり、 中からの手招きに近寄ってみると、 厚いベールの女性と エプロンの女性がいた。 その召使いであるエプロンの女性が、 ドラッカーに、 フェルディナンド・ボンドさんの お孫さんではないかと聞いた上で、 「ボンドさんは奥様の最後の愛人でした」 と言って、 車はそのまま立ち去っていった。 「私はすっかりどきまぎした。  が、人に言えないほどではなかった。  そうして話は、おばあちゃんの耳に達した。  おばあちゃんは私を呼びつけ、  ベールの人について根堀葉堀り開いた。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)        

■ゴシップが必要なミミ-■~それこそ節操がない。~

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おはようございます。 未明川崎、まだ風雨の気配はありませんが、 今夜から雨~雪になり、 警戒級の大雪の可能性の予報もあります。 明日の出勤時の交通マヒが心配ですね。 お気を付け下さい。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ おばあちゃんの姪の一人ミミ-が、 女優の卵になり、 ゴシップ紙を賑わせたことがあった。 おばあちゃんが、 このゴシップのことは聞きたくない、 と言ったのに対し、 孫の一人が 「上品ぶらなくてたっていいじゃない」 とまぜっ返したところ、 おばあちゃんは ミミ-は声も悪く大根だから、 役をもらうにはゴシップが 必要なことは分かってるが、 インタビューで男の人の名前だけは あげないでほしいと言った。 それに対して孫は、 その男の人たちは喜んでいるのだと 言ったところ、 おばあちゃんは次のとおり返した。 「だからいやなのよ。  あんな連中をいい気にさせるなんて。  それこそ節操がない。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)        

■街角のご婦人への親切■~レディーらしくないこと~

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おはようございます。 朝から小雨が降ってます。 この雨も上がりそうですが、 明日はまた雨、気温が下がれば雪となりそうです。 良い休日をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ おばあちゃんの振舞についての話が続く。 この彼女の態度は、 アパートのすぐそばの街角に立つ、 誰もが見て見ぬふりをしている ご婦人に対しても変わらなかった。 おばあちゃんだけがきちんと挨拶し、 寒さを気遣う声かけをしていた。 ある晩などは、 街角に立つリジー嬢の風邪声を聞いて、 アパートの五階の部屋から咳止めを 持ってきてやっていた。 これを聞いた店の一人が、 ああいう人に話をしたり 咳止めを与えたりするのは、 レディーらしくないと 言ったのに対しては、 思いやりがレディーらしくないことなど決してない、 と答え次のように話した。 「あなたたちは、  亭主が変な病気でも  うつされるのではないかと心配している。  そのことについては、  私は何もできないわ。  でも、あの子が若い男に風邪をうつすのだけは、  防げるかもしれないじゃないの」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)    

■誰もが、「おばあちゃん」と呼ぶ■~相手にとって大事なこと~

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おはようございます。 雲暗く空を覆う川崎の朝です。 日中は晴れ、夕方から明日にかけて雨、 山沿いは雪になるかも。 良い週末をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ おばあちゃんは、 身体の色々なところの 具合が悪いにも関わらず 年中電中に乗ったり歩いたりして、 ウィーン中を動き回っていた、 とした。 そして、おばあちゃんは 「私が行ってやらなければ、誰が行ってやれるの」 と言っては、はるか遠くの郊外に住む 従姉の召使いの姪である 可哀想なポーラの所へ行くのだった。 実の娘も姪も、誰も彼もが、 「おばあちゃん」と呼んでいたが、 彼女は誰にも同じように親しく、 昔風に礼儀正しく接し、 長い間会っていなくとも、 相手にとって大事なことは覚えていた。 「何か月ぶりというのに、家の子供の家庭教師に、  「オルガさん、甥御さんはどうされまして?  工学部の試験はどうでした?それはそれは。  さぞかし鼻がお高いでしょう」  と言い、あるいは、大昔に自分の嫁入り道具を作ってくれた  家具職人の後継ぎの店に寄っては、  「コルベールさん、お店の固定資産の評価、見直してもらえて?  この間お目にかかったときは、大分怒っておられましたけど」  と尋ねていた。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」 (Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)