【そぞろ】 ■ 知りながら害をなすな■
民主党党首選も最終段階に入った。
世論調査では現職の菅さんが優勢との状況である。
言うまでもなく、国民から見ると党首選ではなく総理大臣の選択であり、その観点からの世論であり、
この結果は、国民が信頼できる政治を早急に構築してほしいと望んでいる証左である。
一方小沢さんを望む人たちのその理由として、この混迷の中では”大ナタ”を奮う行動力が必要
いまの経済状況を立て直すには、様々な問題をばっさばっさと捌ける清濁呑み見合わす度量が必要とのことであろう。
「マネジメントたるものはすべて、リーダー的地位にあるものの一員として、プロフェッショナルの倫理を要求される。 それはすでに、2500年前のギリシャの名医ヒポクラテスの誓いのなかにはっきり表現されている。知りながら害をなすな、である」(『エッセンシャル版マネジメント』)
「知りながら害をなすなの原則は、今日の社会的責任に関する宣言の類に見られる政治性に比べるならば、いたって平凡に思われる。もちろんこれは、医師たちにはずっと前からわかっているように、守ることの容易なものではない。そしてまさにこの平凡さが、知りながら害をなすなの原則をマネジメントの倫理、すなわち責任の倫理にとってふさわしいものとする」(『マネジメント』)
ドラッカーは『マネジメント』のなかで、このように指摘する。
国民や諸外国は政治が責任ある行動をするという信頼感を持てないと、あらゆる活動に躊躇する。
国民は消費、結婚、子育て、投資、貯蓄などに躊躇し、企業は雇用、生産活動、設備、リスク投資などに躊躇し、諸外国は投資、商取引、政治連携、中長期な戦略連携などに躊躇する。
国民や諸外国から、「責任ある行動をする」と信じてもらえなければならない。これを信じられなければなにも信じられない。
こんどこそ「知りながら害をなすな」を問うべくもない政治を望むところである。
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