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■弱みを機会に転ずる■~成果を阻害している弱みは何か。~

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おはようございます。 さぁ、連休明け頑張りましょう。 小泉元首相の脱原発発言が波紋を呼んでいる。 トイレのないマンションと言われるとおり、 原発の生み出す廃棄物にはそれを処理する施設がない。 そして、福島第一原発の事故の収束は見込みがないばかりか、 冷却水漏れによるリスクは高まるばかり。 これは社会としての危機であり問題である。 小泉さんは、この危機を機会ととらえることが、 原発の抱えるリスク回避と今後の日本経済の行方を示すものと述べる。 原発から自然エネルギーへの”大転換”は、 社会のイノベーションであり、確かに大きな機会が存在するんでしょう。 ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 事業機会を明らかにする三つの問い その1 ●事業を脆弱なものにし、成果を阻害し、業績を抑えている弱みは何か。 企業や産業は、わずかな経済変動や競合製品に負ける。 何がそうさせるのか、なにが能力の発揮の制約要因になっているのか。 ほとんどのマネジメントはこの制約について理解はしているが、 現状を変えることは不可能と考える。 しかし、何もできないというのは誤りである。 何もしない間にも、イノベーションのための準備は整いつつあり、 それが実現したおりには極めて大きな経済的成果が生み出される。 このような制約を乗り越えるために、イノベーションへの取り組みを 体系的に試みなければならない。 そのような制約は三つの領域において見つけることができる。 ●生産工程の経済性 ●産業の経済性 ●市場の経済性 「企業や産業に固有の弱みを克服するためのイノベーションは、  その企業や産業の人間にはまったく不可能なことに見える。  しかし、イノベーションのための準備は  みなが起こりえないといっているうちに整いつつある。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第10章 事業機会の発見)     

■機会は見つけるもの■~運で事業はつくれない。~

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おはようございます。 連休最終日、雲の多い川崎の朝です。 楽天イーグルスがついに日本一を勝ち取った。 被災者の方々、東北のみなさんに大きな励みになったことでしょう。 試合の締めにマー君が投げた、これが日本での最後の雄姿だったのか。 ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 事業は運やまぐれで作り上げることはできない。 その機会は、体系的に発見し、開拓すべきもので、 そういう企業のみが成長、繁栄できる。 世の中に機会は沢山存在する。 しかしいかに体制を準備しても、実現できるのは常にその一部にとどまる。 その機会は、どのようにして探すのか? ドラッカーは、それは危険や弱みが教えてくれるとする。 それらの問題を機会に転化できた時にこそ大きな成果が得られる。 そのための三つの問いを次のとおり示す。 ●事業を脆弱なものにし、成果を阻害し、業績を抑えている弱みは何か。 ●事業内においてアンバランスになっているものは何か。 ●事業に対する脅威として恐れているものは何か。いかにすればそれを機会として利用できるか。 「幸運、チャンス、災難が事業に影響を与える。  だが、運では事業はつくれない。  事業の機会を体系的に発見し、  それを開拓する企業だけが、繁栄し成長する。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第10章 事業機会の発見)     

■「強制選択」なる規律■~機会と人材に対する順位づけ~

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おはようございます。 雲の多い、連休中日、好天はなさそうですね。 マー君についに黒星がついた、しかし負けてなお強し。 良い試合だった、さぁラストだ頑張れ! ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 企業が活動するために重要なことは、 有能な人材を最大限利用することである。 そこで、気をつけなければならないことがある。 卓越した人材を集中させずに分散させることである。 強みが力を発揮するには、集中が必要であり、 大きな機会に立ち向かうには、集中した注意力と献身が求められる。 ドラッカーは、その為にマネジメントは、 心理学の「強制選択」なる規律を 自らに課さなければならないとする。 「強制選択」とは何を行うことなのか? まず最初に行う強制選択は、大きな機会を曖昧さ抜きに順位付け、一覧を作る。 次に行うことは、卓越した人材やチームに対し、同様に順位付け、一覧を作る。 そしてこの二つの一覧から、上位から順に機会に上位の人材を割り当てるという作業を行う。 これを繰り返すことにより、大きな機会に卓越した人材を割り当てることができる。 「強制選択」とは、機会や、人材に対する思い入れや、様々な事情を排除して、人材配置を行うための手法と言える。 このことにより、下位順位の機会が、上位順位の機会を犠牲にして人材の割り当てを受けることはなくなる。 「人材の配置は致命的に重要な決定である。  この配置の決定が、成果のためのプログラムとなるか、  それとも単なる紙くずにすぎないプログラムとなるかを決める。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第9章 強みを基礎とする)     

■人材の最大利用■~第一級の機会を餓死させる。~

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おはようございます。 雲の多い連休初日、秋の好日すっきり晴れてほしいものです。 朝の訪れが日ごとに遅くなった。一日1分ずつ日の出が遅くなるらしい。 こうして間もなく、寒く暗い冬の朝を迎えるようになるんですね。 あと2か月で今年もおしまい、そろそろ忘年会の心配が始まりますね。 ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 企業が活動するためには、ヒト、モノ、カネという経営資源が必要であり、 その中でも、とりわけ重要なことは、ヒトの配置のための意思決定である。 さらに重要なことは、有能な人材の最大利用である。 卓越した人材は常に、最も大きな見返りのある機会に割り当てなければならないし、 そしてそういった第一級の機会に対しては、卓越した人材を割り当てなければならない。 この機会に割り当てるべき人材がいない場合には、外部から調達してでも手に入れなければならない。 大きな機会を利用するためぬは、卓越した人材が絶対的に必要なのだ。 なので、さほど重要でない機会に対しては、最高の人材を割り当ててはならない。 しかし、組織には必要な能力をもたない者がいる。 だがそんな彼らも、何らかの理由で面倒を見てやらなければならない場合がある。 彼らに与えるべきは閑職である。 閑職に置けばコストは給料だけであり、大きな機会を任せれば、 そこから得られるはずの利益を失うことになる。 同様に問題になるのは、さほど重要でない機会への対応である。 このような機会は、現在の人材だけで賄わなければならない。 そこに卓越した人材を配置することは、第一級機会の餓死を意味する。 「第一級の人材は常に、最も大きな機会、  最も大きな見返りのある領域に割り当てなければならない。  そして第一級の機会に対しては、  卓越した才能と実績をもつ人材を割り当てなければならない。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第9章 強みを基礎とする)     

■イノベーションの機会を発見する。■~未来を築くためのもの~

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おはようございます。 明るい朝を迎えた川崎です。 今日から11月、残すところ2か月。 最後をきっちり締めましょう。 楽天も王手、マー君が最後を締めてくれるでしょう。 ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬  現在の事業の質を高めるための二つの機会。 ドラッカーは、リプレースメントとは、何が市場であり、 何を市場が求めているかについての新しい考え方や、 知識の新しい利用の仕方に関わるものであるとした。 もう一つのイノベーションとは、 既存のものから新しい種類の経済を生み出す 未知のものをつくり出すこととする。 エジソンは、新しい産業を創造したのではなく、 そのとき既に存在していた要素に、 唯一の決定的に新しい要素を加えることによって、 まったく新しい経済的能力を創造したのだ。 【CASE】  ▲シアーズ・ローバック(1800年代後半にアメリカで通販市場で成功した)    顧客に「事情を問わず返品可」を保証するというサービスで業績を伸ばした。    その時代、通販に必要な要素は全て揃っていたが、唯一欠けていたのが    ”顧客への信用”という要素であった。    この”顧客への信用”を「返品自由」というサービスに転換したことこそイノベーションなのだ。  ▲IBM    ハイテクノロジーのパソコンと、それを使いこなせない顧客とのギャップを埋める    プログラミング言語を開発するというイノベーションで地位を固めた。 イノベーションとは、既に存在する知識や製品、市場などを、 はるかに価値のある新しい一つの製品やサービスなどにするために、 欠けている小さな部品を発見し、統合することである。 ドラッカーは、その機会を発見するために重要なことは、 知識も技術も既に存在しているため作り出すことが可能になっているにもかかわらず、 それを阻害する致命的に重要なものは何かを問うことだとする。 「イノベーションとは、発明や発見そのものではない。  もちろん発明や発見のいずれかが必要となることもあるが、  焦点は知識そのものではなく成果に合わせられる。  したがってイノベーションは、規模が大き

■変えるべきものは製品ではない。■~活動の何が悪いか~

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おはようございます。 未明の川崎、日一日秋が深まってきます。 野球と相撲が国民の共通娯楽であった時代にあって、 打撃の神様と言われた川上哲治さんが亡くなった。 昭和の巨星がまた一つ失われた。 ご冥福をお祈りします。 ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬  現在の事業の質を高めるための二つの機会。 一つはリプレースメント、もう一つはイノベーション。 リプレースメントとは、市場が何を求めているかを調査し、 既存の製品やサービスに新しい考え方や使い方に置き換えることにより、 顧客の便益を高めていくことを言う。 【CASE】  ▲梱包資材    単なる梱包資材を作り出すことは、リプレースメントではなく”開発”であり、    しかし、梱包材自体を不要にするかもしれない、コンテナの利用はリプレースメントである。  ▲デパート    繁華街にあるデパートが郊外、ショッピングセンターに進出することは、    郊外の顧客に対して繁華街のデパートの利用法、ブランド価値と商品取り揃えを    リプレースメントしたことになる。 リプレースメントは、何が市場であり、何を市場が求めているかについての新しい考え方や、 知識の新しい利用の仕方に関わるものである。 「変えるべきものは製品そのものではない。  製品が適切でないならばそもそも時間と労力をかける理由がない。  変えるべきは、企業白身が製品をどのように見、提供し、利用するかである。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第9章 強みを基礎とする)     

■無数の平凡なるもの■~乳を搾り取れるが、育てる必要はない。~

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おはようございます。 昨日に比べると暖かな朝を迎えた川崎です。 昨晩からの雨は上がって、秋晴れとなりそうです。 楽天が連勝した、強い試合だった。 いつの間にこんなに強くなったのかと思うのが実感だが、 最後まで勝ちきってほしい。 ジャイアンツを負かすと気持ちいい。 大リーグでは、上原が締めて、レッドソックスが王手だ。 いずれも頑張ってほしい。 ----------------------  ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 次。 推進すべきでもなければ、廃棄すべきでもない という次のような無数の平凡な領域がある。 ・今日の主力製品、生産的特殊製品 ・コストが大きく、不釣り合いなほどの努力によってしか節減できないコストセンター ・手直し用製品、すなわち、何らかの大きな変更や修正を加えるならば、価値あるものとなりうる製品、サービス、市場。 これらの領域に対しては、機会となる領域を犠牲にしてまで人材を使ってはならず、 人材に余剰があったときにのみ、考慮するべきである。 また現在もっている人材、ないしはより少ない人材ですまさなければならない。 ドラッカーは、次のとおり乳牛に例える。 ”乳を搾り取られる立場に置くべきである。 成果を生むかぎり生かされ、乳を搾り取られる。 しかし育てる必要はない。” 「平凡なるものは、ほとんど常に、 ほかのところで使えばさらに生産的となる人材を浪費している。 したがって、それら平凡なるものは、 現在もっている人材、ないしはより少ない人材ですまさなければならない。」   ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第9章 強みを基礎とする)