■偏見に満ちた見方■~ナチズムは社会現象~
おはようございます。
薄曇りの高知の朝です。
今日はこの雲が段々と
雨に変わっていきそうですが、
気温は夏日、水分補給にお気を付け下さい。
月曜日、今週もよろしくお願いします。
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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
『「経済人」の終わり』は、
学界からはまったく評価されず、
60年代から70年代をとおして
学者の世界から無視されつづけた、
とした。
そして、ナチズムを
「ドイツに特有のもの」
「資本主義の断末魔」
のどちらかと見なすのが、
当時の一般的な考え方であり、
『「経済人」の終わり』
はこのどちらとも
立場を異にしていたのだ、
と続ける。
この本についての見方は、
ナチズムと全体主義をひとまとめにして、
ヨーロッパを覆った病理ととらえ、
全体主義が最も極端な
異常なかたちをとったのがナチズムで、
スターリン主義もそれと大同小異だというのだ、
というものだった。
これに対してドラッカーは、
「偏見に満ちた見方だ」と不快感を示したが、
『「経済人」の終わり』が
快く受け入れられなかった
もうひとつの理由については、
1994年に次のとおり書いている。
「ナチズムを社会現象として
扱っているからだろう。
この考え方はいまなお異端である。」
(『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)
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