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■緊急事態との相性■~目を覆うばかりの対処~

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 おはようございます。 未明の高知の空に残っている東の雲が、 朱く染まり始めています。 昨日の雨が上がり、 今日は一日中晴れそうです。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 病院が十分に役割を果たすのは、 生命の危機にさらされている患者に 対応するときだけで、 それ以外の患者には、 真剣に対応しないのだ、 と語った。 クレイムズは、この主張も、 ドラッカーの持論である、 と続ける。 そして、 ちょっとしたケガで救急外来を訪れ、 自分の順番を待った経験のある人はみな、 この言葉が図星をさしていることを 知っているはずである、 とする。 「病院は緊急事態との相性がよいのです。  緊急案件に対応するために組織があるわけですから。  ところが、患者の八割は命の危険とは無縁な人々です。  .........そのような患者への対処は、  目を覆うばかりです」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■病院組織の問題■~『まったくなっていない』~

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 おはようございます。 高知の朝、既に道路が濡れています。 予報通り今日は一日雨のようですね。 気温は朝から暖かく、 日中も10月並みとなりそうです。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ありとあらゆる非営利団体の仕事に 熱心に取り組んだ、 とした。 しかし、最も大きな マネジメント問題を かかえていたのは、 教会でも大学でもなく、 どのような組織にも増して ほころびが目立ったのは病院だった、 と続ける。 ドラッカーは、 病院の組織を動かしていくのが、 いちばん困難で、 病院が十分に役割を果たすのは、 生命の危機にさらされている患者に 対応するときだけで、 重い病気に苦しむ患者以外には、 真剣に対応しないのだ、 と語った。 「老婦人が午前三時に心不全にみまわれたなら、  当直の看護師はものの数分で  医師やスタッフを集め、  治療に取りかかるための手配をする。  ところが、命にかかわる急患をべつにすると、  病院の仕事ぶりは  『まったくなっていない』のだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■ほころびだらけの企業■~あらゆる非営利団体の仕事~

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 おはようございます。 未明の高知の晴れた空には、 星がたくさん輝いています。 今日は一日晴れ、 明日は崩れそうです。 月曜日今週も一週間よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 経営者たちの強欲ぶりを見て、 このとてつもない愚行により、 企業を中心とした資本主義に 災厄がもたらされると思いますよ、 とした。 クレイムズは、 企業そのものが、 ほころびだらけになってしまった と言いたかったのだろう、 と続ける。 ドラッカーはひたすら 自分の直感を信じ、 もっぱら非営利団体に関心を寄せ、 教会、大学、学校、医療機関、 社会奉仕団体、慈善団体、福祉団体、 さらにはガールスカウトにいたるまで、 ありとあらゆる非営利団体の仕事に 熱心に取り組んだ。 ドラッカーはこのことについて、 次のとおり語った。 「大学や教会に、  『どうすればイノベーションをなしとげられるか』  をめぐって、  かなりのコンサルティングを行いました」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■道義的社会的に許されない■~このとてつもない愚行~

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 おはようございます。 朝からまぶしい陽射しの高知、 一日中晴れそうです。 日曜日、良い休日をお過ごしください。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 1970年から90年にかけて、 CEOの報酬が青天井で増えていったが、  一般の働き手の収入は、 ほぼ横ばいにとどまっていた、 とした。 ドラッカーの目には、 このことはおよそ馬鹿げた状況に映り、 いち早く、 人材こそが企業にとって最大の資産だという 見方を示していたのだ、 と続ける。 ちなみにそれ以前は、 人材は費用源だとする考え方が一般的で、 経営者たちのこのような強欲ぶりは、 論壇に登場したころから ドラッカーが信奉していた ジェファーソン流の理念への、 途方もない挑戦であり、 道義的にも社会的にも、 およそ許されるものではない、 としていたのだ。 ドラッカーは、 CEOの報酬は一般の働き手の 20倍以内であるべきだと考え、 さらに次のとおり続けた。 「いずれ大きなツケが回ってくるでしょう。  このとてつもない愚行により、  企業を中心とした資本主義に  災厄がもたらされると思いますよ」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■CEOの報酬は青天井■~敵対的な企業買収~

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 おはようございます。 未明の高知はさらに暗く、 道路は既に雨に濡れています。 これから雨は上がり午後からは晴れそうです。 この週末は紅葉狩りには良さそうですね。 土曜日、良い週末をお過ごしください。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 80年代になると、 GEをはじめとして各社は 「何としてでも利益を増やそう」 という決意のもと、 組織の改編に乗り出し、 マネジメント階層を減らし、 かつてない大がかりな人員削減を行った。 そしてドラッカーは、 数十億ドル規模の 敵対的な企業買収についても、 大きな問題だと見なしていた、 と続ける。 たいていは、 買収する側される側両方にとって、 メリットよりも デメリットのほうが大きく、 何より困ったことに、 記録的な人員カットが行われるなか、 CEOの報酬が青天井で増えていった。 「1970年から90年にかけて、  その額はおよそ400%も増えたが、  他方、一般の働き手の収入は、  インフレ率を考慮すると  ほぼ横ばいにとどまっていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■堪忍袋の緒が切れた■~アメリカ株式会社の転機~

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 おはようございます。 夜明け間際の高知の空には 今日も星が輝いています。 日中も晴れ、 気持ちのいい晩秋の一日となりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 アメリカ株式会社におけるCEOが、 一般の働き手の何百倍もの 報酬を得ることなど強欲だとし、 40年ものあいだ著述の対象としてきた 営利企業に批判の矛先を向け、 非営利団体に関心を向けたのだった。 そしてすでに何年も前から 非営利団体のコンサルティングを 手がけてはいたが、 民間企業の経営トップたちが あまりに強欲であるため、 ついに堪忍袋の緒が切れたのだった。 クレイムズは、 1980年代のアメリカ株式会社は 転機にさしかかっていたとし、 70年代には、 株価の大幅な下落、 何度かの不況、 オイルショック、 20%に迫る金利高騰 などに見舞われ、 この嵐が去ったら強さを取り戻そう、 と身を低くしていたとする。 「80年代になると、  GEをはじめとして各社は  攻めの姿勢に転じた。  「何としてでも利益を増やそう」  という決意のもと、  組織の改編に乗り出し、  マネジメント階層を減らし、  かつてない大がかりな人員削減を行った。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)

■強欲もいいところ■~批判の矛先は営利企業へ~

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おはようございます。 日の出間際の高知、 夜空に残星が輝いています。 ワールドカップで日本勝ちましたね。 俄かファンでも劇的な試合に前のめりに、 次が楽しみです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ストックオプション制度のもとでは、 マネジャー達はどうしても、 長期的な利益を犠牲にして 足元の利益を増やそうとするのだ、 と考えていた。 そしてさらに、 CEOの報酬を決める際には、 株価の水準や動きを 考えに入れるべきではないだろう、 とも語っていたとする。 ドラッカーの主張は、 CEOが一般の働き手の 何百倍もの報酬を得るなど、 強欲もいいところだ、 というものだった。 ちなみに日本では、 CEOの報酬は多くても 一般従業員の40倍だとする。 「このためドラッカーは、  それまで40年ものあいだ  著述の対象としてきた営利企業に  批判の矛先を向け、  非営利団体に関心を向けたのだった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第3章 組織のほころび)