■プロフェッショナルの倫理■~道徳観や美意識の問題~
企業倫理や企業人の倫理について、ドラッカーは次のとおり説く。
まづ、企業倫理以前の問題であるにも拘らずそれらしく説明される
3つの事柄を指摘する。
1点目はまったく単純な日常の正直さについて。
ごまかしたり、盗んだり嘘をついたり、贈賄したり収賄したりすることは、
企業ではなく、個人、家庭、学校の道徳観に関わる問題である。
必要なことは、企業の重役であれ誰であれ、誘惑に負けたものを厳しく
罰することだけである。
2点目は人間としての美意識の問題。
”顧客をもてなすためにコールガールを雇うことは、倫理の問題ではない。
髭を剃りながら、鏡のなかにポン引きの顔を見たいかどうかの問題である。”
3点目は自らの時間を地域社会の活動に使う倫理的な責任があるという誤解。
地域社会の活動に参加することは望ましいが企業人倫理とも、負うべき責任とも
関係ない。
一市民としての個人の貢献の問題であり、仕事として強制されたり、報償したり
すべきものではない。
ではマネジメントの責任と倫理とは、具体的には何か。
彼らには、身分、地位、卓越性、権限が与えられる。
その権限には、責任と義務が付随して発生する。
プロフェッショナルの倫理、つまり責任の倫理を要求されることとなる。
「マネジメントの立場にあるものはすべて、
リーダー的地位にあるグループの一員として、
プロフェッショナルの倫理を要求される。」
~「マネジメント」
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