■コミュニケーションは組織のあり方■~われわれのなかのもう一人へ~
ドラッカーは、目標管理を一つの例としてあげた上で、 経験共有こそがコミュニケーションの成立には不可欠だと言明した。 組織の中でのコミュニケーションは、他人に対して 何かを伝えようとするものではない。 同じ組織に働く人達は、経験の共有を通して価値観や知覚を相互理解し、 ”私とあなた”ではなく”われわれ”となる。 このことにより、コミュニケーションは組織の有効性を作り上げていくのだ。 人体における神経伝達物質のごとく、組織にとってコミュニケーションは その生命維持装置として働くと言える。 「コミュニケーションは、私からあなたへ伝達するものではない。 それは、われわれのなかの一人から、 われわれのなかのもう一人へ伝達するものである。 組織において、コミュニケーションは単なる手段ではない。 それは組織のあり方である。」 (6章 マネジメントの技能 28 コミュニケーション)