■コミュニケーション・ギャップの解消■~耳を傾けることはスタートにすぎない。~




ドラッカーは、「何を言いたいか」に焦点を合わせた
”上から下へ”のコミュニケーションは成立しないとした。

そして、上に立つ者は部下に理解させたいことからではなく、
部下が知りたがっていること、興味を持っていることに、
耳を傾けなければならないと指摘する。
耳を傾けることが、コミュニケーションの前提であるのだ。

しかし、下からの話に耳を傾けるだけでは
効果的なコミュニケーションは実現しないとする。

なぜか。
耳を傾けることは、上の者が下の者の言うことを理解して
初めて有効となる。
そして、そのためには、下の者が上の者に理解をさせるための
コミュニケーションの能力があることが前提となる。

しかしこの両者の間には、経験や能力や知識や価値などの差、
つまり知覚にギャップが存在する。
このギャップがコミュニケーションを困難にしているのだ。

大切なことは、このコミュニケーション・ギャップの解消である。
にも拘らず、伝え手は上手に伝えようと多くの情報を流して、
かえってこのギャップの拡大につなげていると指摘する。


「情報が多くなるほど、

 効果的かつ機能的なコミュニケーションが必要になる。

 情報が多くなるほど、

 コミュニケーション・ギャップは縮小するどころか、

 かえって拡大する。」

(6章 マネジメントの技能  28 コミュニケーション)





   

コメント

このブログの人気の投稿

■距離を消滅させたeコマース(1)■~産業革命における鉄道~

■イノベーションの三つの心得(3)■~世の中を大きく変えるもの~

■なぜ企業家精神が必要とされるのか(2)■~継続していく企業家社会~