■自ら経営科学者である必要はない。■~医者は医科学を使いこなす。~






第6章、マネジメントに必要な技能である意思決定、コミュニケーション、
管理手段について触れてきた。

第6章最後のテーマは、マネジメント・サイエンス、”経営科学”。


企業の意思決定をより合理的にするための、数学的・統計学的手法や情報理論、
シミュレーション法やシステム分析などを包含するもの。


ドラッカーは、この経営科学は組織マネジメントにとって、
強力な潜在力を持つ道具であるとする。


しかしマネジャーは、自ら経営科学者である必要はない。
必要なことはいかにそれを使いこなすかである。


医者は薬学者や血液化学者、細菌学者である必要はない。
医者として、医療の責務を果たせばよい。

しかし、医者は、薬や血液科学、細菌学が医療にとって
どのような効果が期待できるのか、そしてそれらを医療のために
いかに使いこなすかは知らなければならない。


マネジメントと経営科学の関係を、
この医者と医科学の関係と同様に捉える。


「経営科学(マネジメント・サイエンス)は

 大きな貢献を果たしうる道具である。

 しかしマネジャーは、自ら経営科学者である必要はない。

 医者が血液化学者や細菌学者である必要がないのと同じである。」


~P.F.ドラッカー「マネジメント」


(6章 マネジメントの技能 30 経営科学)



   

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