■ウィーン中を動き回っていた。■~お年寄りのための煎じ薬~

おはようございます。

未明の川崎、雲が多いようですね。

昨日は雨模様で明日も雨の予報、
今日はまるで梅雨の晴れ間、
傘は不要でしょう。

金曜日、今日も一日よろしくお願いします。

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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬


ドラッカーは、
わが家の言い伝えによれば、
この簡潔な祝辞に対する
電報料金のあまりの高さに、
おばあちゃんはため息をついた、
とする。


そして、若い頃のおばあちゃんは、
小柄で相当の美人だったが、
残念ながら物心ついた頃には、
その面影はそれほどなかった、
と続ける。


夫を亡くした40歳そこそこの頃、
大病をわずらい、
以来動悸と息切れに悩まされ、
さらには関節炎にもかかり、
耳も遠くなりつつあったが、
後女は柄の太い黒い傘を手に、
大きな買い物袋を引きずるようにして持って
年中電中に乗ったり歩いたりして、
ウィーン中を動き回っていた。


「買い物袋には、

 どこそこのお年寄りのための煎じ薬、

 ギムナジウムの誰それのための古切手、

 仕立屋さんにあげるために

 フロックコートから取った

 金属製のボタンなどの包みが入っていた。」

~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」
(Ⅰ 失われた世界 1章おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物)

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