■成果をあげるなかれ■~効率やコスト管理は美徳ではない。~
続いてドラッカーは、公的機関をはじめとする予算型組織の持つ危機について指摘する。 予算型組織の地位や権威は、予算の規模と人の数で計られる。 より少ない予算や、より少ない人間で成果をあげても業績とはならない。 成果に関わりなく、今年の予算を使い切らなければ、次年度には予算が 減らされることとなる。 組織は、優先順位を付け集中することなしに、成果をあげることはできないが、 予算依存は、これを妨げる。 その結果、まちがった目標や、古くなった活動、陳腐化したものの廃棄を 難しくし、無駄な仕事に関わる職員や組織を多数抱えることになる。 いかなる組織でも、現在行っている活動を止めたくはない。 しかし企業は、この活動結果が顧客に受け入れられなければ顧客によって その活動は葬り去られる。 一方、公的機関のような予算型組織は、顧客による洗礼を受けない。 それどころか、公的機関は今行っていることを正当化し、公益に合致するに 決まっているとする。 このような前提に立つ公的機関にとって、”われわれの事業は何か”との問いは、 常に危険である。 つまり廃棄と優先順位そして、集中して成果をあげることを避ける。 しかし公的機関は自らの活動を正当化しなければならない、そこで国民と自らを あざむかなければならなくなる。 『したがって今日、あらゆるサービス機関が守るべき原則は、 「現在行っていることは永遠に続けるべきものである」ではなく、 「現在行っていることは、かなり近いうちに廃棄すべきものである」 でなければならない。』 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 私のランクは? Amazon.co.jp ウィジェット