■ 原発という”野獣”~野獣の原則でわかるマネジメントの責任 ■∬ちょこっと、P.F.ドラッカー∬

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被災地での復旧作業が伝えられる中、原発事故の問題が深刻さを増している。
関係者の会見でよく聞かれるキーワードが”想定外”である。

原発は、大規模で未経験の領域での事業であり多くのリスクを抱える。
原発建設という未知の計画を進める際には、当然のことながら仮説を立て、
検証するというプロセスが必要となる。

当然”仮説”なのでそこには限界があり、そしてその限界の外にあるものが
”想定外”となる。

なので、仮説の不足、検証の不足はその想定範囲を縮め、リスクとして認識
すべきこと、対策を検討すべきことを漏らすことを意味する。

原発は、人の命や自然の仕組みに対して直接的に危害を加えるという要素を
持っているので、この漏れは重大な結果を招くことは自明である。

ドラッカーはその原因が不注意であろうが天災であろうがライオンが檻から
出た責任は飼主にあるとする。

原発という”野獣”の飼い主は東電であり、国である。

これから、野獣を飼う必要性から問い直す必要があるだろうが、すでに”野獣”
を飼ってしまっていることについて責任は重い。

十分なリスクマネジメントが行われてこなかったことを反省し責任を十分に
果たさなければならない。

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「自らが与える影響について責任をとるべきことは、太古からの法的原則である。

自らの過誤によるものか、怠慢によるものかは関係ない。

この原則を最初に明らかにしたローマの法律家たちは、これを野獣の原則と名づけた。

ライオンが檻から出れば、責任は飼い主にある。

不注意によって檻が開いたのか、地震で鍵が外れたのかは関係ない。

ライオンが狂暴であることは避けられない。」


~P.F.ドラッカー「経営の哲学」



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