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2月, 2016の投稿を表示しています

■知識の性格変化■~デカルト的世界観からの移行~

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おはようございます。 明るい空の川崎の朝です。 今日で2月は終わり、 明日からは早3月。 桜の季節も間もなくです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、100年前にある学問は、 動物学と植物学だけだったとする。 そして今日、有機化学と無機化学の 区別がなくなり、 生物学と心理学、経済学と行政学、 社会学と行動科学、論理学と数学、 統計学と言語学の境界も無意味になったと続ける。 これからは、学部、学科、科目の いずれもが陳腐化し、 理解と学習の障害になると考えるべきである。 今日、部分や要素に重きを置く デカルト的世界観から、 総体とパターンに重きを置く 形態的世界観への急激な移行が、 あらゆる種類の境界に疑問を投げかけている。 「知識の世界は流動してやまない。  今日の学部、学科、科目も、  間もなく意味を失う。  もともと、それらのうち  長い歴史をもつものはほとんどない。  100年前には、  生化学も遺伝子学もなく生物学さえなかった。  動物学と植物学があるだけだった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part4 問われる知識と教育 1章 知識の政治学)

■見えざる革命■~独自の社会主義を実現~

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おはようございます。 今日も明るい陽射しの川崎の朝です。 明日は一雨ありそうです。 一雨ごとに春が近づいてくるんですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 今日アメリカの政党は、 政治理論には無縁の存在であるとする。 しかし、それでも、 政治勢力の再編は起こると続ける。 人口構造の変化や、所有構造と 支配構造の基本的な変化によって 新しい機関が誕生したときもたらされる。 年金基金の出現は、 アメリカが独自の社会主義を実現したという 時代認識の上に立つ政治勢力の再編を起こす。 「アメリカの政治勢力の  再編をもたらすものは、  まさに見えざる革命をもたらし、  アメリカに年金基金社会主義をもたらした  時代の動きそのものである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす)

■政治勢力の再編は避けられない■~人気のある知的ゲーム~

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おはようございます。 真っ青な空が広がる 快晴の川崎の朝です。 芽吹きの季節もすぐそこ。 梅は咲き始めてますかね。 見に行ってみよう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 政治の再編について 論じることは、 むかしから人気のある 知的なゲームだったとする。 そして、アメリカ合衆国の誕生以来、 あらゆる種類の政治勢力や、 あらゆる種類の多数派が、 初めは不安定で混乱した存在として 登場してきたと続ける。 「しかしそれらの政治勢力は、   ひとたび確立されるや   驚くほどの生命力を示した。   おそらくそれは、それらのものが   あまりに脱イデオロギー的であって、   恥じるところなく利害中心だったからであろう。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■政治的な綱領と経済的な計画■~歴史上類のなかったもの~

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おはようございます。 久しぶりの快晴の朝、 冬型の天気、冷え込みました。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 この新しい多数派は、 政治的な綱領と経済的な計画を あわせもつことができるとする。 そして、この新しい政治勢力は、 リベラルとも保守主義とも異なり、 歴史上類のなかったものとなる、 と続ける。 今日、この新しい多数派は、 政治的なりリーダーシップを必要としている。 しかし場合によっては、 単に官僚を攻撃するだけの 扇動家によって結集されることに なるのかもしれない。 「これは保守派ではない。  事実、それは、医療、住宅、性差別について  急進的な傾向をもつ。  だが彼らの問題や意識や感覚は、  リベラルのそれとも保守主義のそれとも異なる。  完全に異なる。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■政治集団が必要とするもの■~官僚主義という敵~

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おはようございます。 時計が今日になって 帰宅の駅を出ると雪が降っていた。 冷え込んでいます、足元にお気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 現在働いている成人のほとんどが、 いつの日か、自分達もこの集団の 一員になることを知っている、 とする。 この利害集団にとってよいことが、 今日の彼らにとって ただちによいことには ならないかもしれないが、 長期的には彼らの利益に 反するものではない。 しかも、年金に受給年齢に近づいた、 膨大な数の従業員にとっては、 長期的といってもあと数年にすぎない。 この新しい多数派は、経済的な成果、 効率を基準とする平等、貨幣価値の安定について 共通の利害をもつ。 しかもそれは、あらゆる永続的な政治集団が 必要とするものをもっている。 その必要なものとは。。。 「すなわち共通の敵である。  官僚主義という敵であり、  自ら拠出せずして  扶養を期待する人たちへの  移転支出という敵である。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■退職者にとっての最大の脅威■~スタグフレーション~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝です。 2月も下旬、朝の冷え込みも 穏やかになった様な気がします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 高齢化社会の到来は、 二つの面からインフレを招く、 とした。 その第二は、貯蓄が退職者の消費に 転化し続けるときであるとする。 実質的な資本形成を行わないかぎり、 スタグフレーションを引き起こす。 投資の不足によって経済が停滞する一方、 消費需要の増大によって物価が上昇する。   「インフレは、年金に頼る退職者にとって  最大の脅威である。  50歳を過ぎた従業員にとっても、  将来の年金の購買力が低下することは  重大な脅威である。  この二つの世代を合わせると、  現在すでに成人人口のほぽ半分に達し、  やがて確実に過半を占める。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■新しい利害集団■~政治を動かす中心的存在~

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おはようございます。 今朝も曇り空の川崎の朝です。 今日は気温はあまり下がらないようですが、 風が強く体感温度は下がりそうです。 暖かくしてお出かけください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 高齢化社会は、 新しい利害集団を生み出し、 自分たちの組織をつくりあげるとした。 そして、この利害集団は、 政治を動かす中心的存在になるための 条件はすべて備えている、 と続ける。 「それは、既存のあらゆる勢力を  横断的に網羅する。  白人も黒人もいる。  男も女もいる。  中流階級も知識労働者も肉体労働者もいる。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■高齢化社会の到来■~時代の空気、価値、行動を変化させる。~

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おはようございます。 どんよりと雲の重い川崎の朝です。 昨日と比べると、 5度くらい低いとのこと。 防寒の準備をお忘れなく。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 高齢化社会の到来は、 政治そのものに影響を与えるとする。 そして、高齢化社会は、 新しい利害集団を生み出し、 年金基金を通じて、 自分たちの組織をつくりあげる、 と続ける。 これは、人口と社会の 新しい重心としての退職者と、 年金が最大の関心事となりつつある 50歳以上の中高年就業者の ニーズと関心を代表する組織である。   「高齢化社会の到来は、   新しい問題を生み、   新しい政策を要求する。   新しい問題領域を明らかにし、   これまでの問題領域の多くを   意味のないものにする。   時代の空気、価値、行動を変化させる。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■年金基金社会主義の時代■~レイオフの先任権~

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おはようございます。 まだ雲の多い川崎の朝ですが、 段々と晴れてくる模様。 ウォーキングには良さそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、インフレは、 退職者や中高年就業者にとって、 重大な脅威であるとする。 失業は、 年金基金の利害当事者である退職者や 中高年の就業者にとっては脅威が小さい。 すでに退職している人たちは 失業によって脅かされることはない。 レイオフに対し先任権をもち、 すでに年金の受給権をもつ 50歳を過ぎた中高年の就業者も 同じ立場にある。 経済学者や政治家は、インフレのほうが 全体として害が少なく、 コントロールが容易だとする。 しかしドラッカーは、これに対して 年金基金社会主義の時代における有権者は、 これに同意するだろうか、 と疑問を投げる。   「年金基金が社会のニーズを満たすための  手段となっている以上、  もはやインフレを擁護することはできない。  リベラルな経済学者が  微々たるものとするような率のインフレすら、  退職者や中高年の就業者にとっては  重大な脅威である。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■退職者にとっての最大の脅威■~スタグフレーション~

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おはようございます。 どんよりと雲の重い川崎の朝です。 段々と雨が強くなる模様、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 高齢化社会の到来は、 二つの面からインフレを招く、 とした。 その第二は、貯蓄が退職者の消費に 転化し続けるときであるとする。 実質的な資本形成を行わないかぎり、 スタグフレーションを引き起こす。 投資の不足によって経済が停滞する一方、 消費需要の増大によって物価が上昇する。   「インフレは、年金に頼る退職者にとって  最大の脅威である。  50歳を過ぎた従業員にとっても、  将来の年金の購買力が低下することは  重大な脅威である。  この二つの世代を合わせると、  現在すでに成人人口のほぽ半分に達し、  やがて確実に過半を占める。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■インフレを招く二つの側面■~生産性向上のないとき~

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おはようございます。 今朝も快晴の川崎、 日中は4月並の暖かさになりそうです。 しかし、週末は崩れそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 高齢化社会の到来は、 二つの面からインフレを招く、 とした。 その第一は、生産性を向上させずに、 賃金増加と年金基金への雇用主拠出分の増加を ともに行ったときである。 「従業員が社会保障年金や  私的年金への拠出の増加を受け入れるのは、  賃金がそれに見合って増加するときだけである。  したがって、インフレの危険が常に存在する。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■インフレか失業か■~高齢化社会到来が招く~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝、 明日までは好天、 週末は崩れそうです。 チームメンバーに また一人インフルエンザ発生。 皆さんもお気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 大恐慌以来、失業は、 現代社会に特有の もっとも危険な病とされてきた。 しかし高齢化社会では、 失業に代わってインフレが、 現代社会に特有のもっとも 危険な病としての地位に座る。 そして、ドラッカーは、 高齢化社会の到来は、 二つの面からインフレを招くとする。 「したがって問題は、  失業はインフレよりも悪くないと考えるべきか、  インフレ抑制のためにはどの程度まで許容できるか、  あるいは許容すべきかである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■効率の増大による解決■~明快な解決策はない。~

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おはようございます。 明るい空が広がる、 川崎の朝です。 日中は暖かくなりますが、 強風に注意が必要です。 インフルエンザが広がっています。 うがい手洗いマスクでご注意を。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、二つの平等主義は、 不平是正のための手段について 真っ向から対立する、 とした。 そして、この対立に対しては、 明快な解決策はない、 と続ける。 問題は、望ましいものと 望ましいものとの対立であって、 妥協は難しいが、 アメリカや他の先進国にとって、 この問題は避けることも 先に延ばすこともできない。 しかし、この二つの平等を 同時に満足させられるだけの経済力はない。 したがって問題は、 弱者に対する補償については、 どれだけの余裕があるかであり、 そのためにどれだけ効率を 犠牲にするつもりがあるかにすぎない、 ということになる。 「なぜならば、高齢化社会においては、  経済的にも政治的にも、  さらには良心の問題としても、  高年者の要求、  すなわち効率の増大による解決の要求が、  中心的位置を占めることになるからである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■二つの平等主義■~高齢化社会の中心的問題~

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おはようございます。 朝が早くなり、 この時間になると ずいぶん明るくなりました。 2月も早中日。 一月は行く、二月は逃げる、 三月は去る、あっという間です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、かくして、 われわれは結果の平等を要求する 二種類の平等主義を 手にすることになる、 とする。 そして、この二つの平等主義は、 不平等を是正するための 手段について真っ向から対立する、 と続ける。 生活困窮者などむかしからの弱者は、 効率の犠牲のもとに 平等を要求し続ける。 彼らは、過去の損失の補償、 生来の資質の欠如、 恵まれざる身分への補償としての 所得、雇用、昇進のための逆差別を要求する。 これに対し、新しい弱者たる退職者は 補償ではなく、効率の向上にもとづく 不平等の是正を要求する。 「これら二種類の結果の平等の対立が、  高齢化社会における中心的な問題となる。  一方は効率に基礎を置き、  他方は補償に基礎を置く。  まったく異なる政策を要求し、  かつたがいに亀裂を増大させていく。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■生産性を犠牲にすること■~生産性の大幅な向上~

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おはようございます。 昨日は、関東地方でも春一番が吹いた。 娘の引っ越し作業を手伝ったが、 天気良すぎで、暑いくらい。 今日は一転真冬、 暖かくしてお出かけください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 そもそも効率を犠牲にして 高年者の平等を実現することは、 経済的にも政治的に不可能であるとした。 そして、その理由の一つは、 ニーズの大きさにあると続ける。 現在の高年者の状態を 維持していくためだけでも、 生産性の大幅な向上が必要である。 絶対数からして、高年者は 労働力の増加分と ほぽ同程度に増加するのだ。 効率を犠牲にすることによって、 高年者の所得の平等を図る政策は、 国民所得から退職者の扶養に 向けられる割合の低下をもたらすだけである。 他方、就業人口を小分けにして 退職者にシェアすることは、 理屈のうえでは可能であっても、 政治的には不可能である。 「仮に、高年者が  働き続けることに対する  ペナルティを軽減ないし廃止し、  高年者の労働市場への参加に門戸に開き、  機会の平等を実現したとしても、  退職者の対就業者比率の上昇を  かろうじて防げるだけである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■平等と効率のトレードオフ■~社会全体の効率向上~

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おはようございます。 雨で始まった川崎の朝です。 昨日は四国で春一番、 関東地方も今日は 5月並の暖かさになるとのこと。 午前中は、風雨にお気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 少なくとも高年者の所得の 不平等を増大させないための方法は、 社会全体の効率向上が不可欠とする。 そもそも効率を犠牲にして 彼らの平等を実現することは、 経済的にも政治的にも不可能である。 「平等と効率のトレードオフは、  不平等を助長させる。  ここにおいて、高年者の置かれた状況は、  基本的に他の弱者と異なる。  国全体としての水準の低下は  彼らを犠牲にするだけで、  益するところはない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■長生きする人の増加■~定年は恐ろしいこと~

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おはようございます。 薄明りの差す川崎の朝です。 今日はこれから4月並、 そして明日は5月並の暖かさになるとのこと。 しかし、月曜日からまた 真冬の寒さがぶり返すとのことです。 インフルエンザも流行っています、 温度の急変で体調を崩さないように お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 たとえ定年を迎えても、 多くの高年者は、 働く能力を持っているとする。 しかし、今日、六五歳まで 働いてきた人のうち、 わずか七分の一しか 働き続けていないと続ける。 1900年当時は、 六五歳以上の高年者の多くが、 経済的に許せば退職を選んだであろうが、 今日では逆である。 退職者のかなり多くが、 年金受給額で損をせず、 働き続けるほうを選ぶ。 専門職、マネジメント、 熟練技能労働者にとって、 収入減以上に仕事や仲間や 刺激がなくなることは、 定年は楽しみではなく、 恐ろしいことである。 そして、今後、高年者が増加する ということが意味することは、 六五歳になる人の数が増加する というよりも、 80代、90代まで長生きする人の数が 増加することだと続ける。   「彼ら労働者こそ、  不平等がもっともはなはだしく、  しかもその不平等によって  深く傷つけられる人たちである。  配偶者は亡くなる。  貯蓄はなくなり、孤独は募る。  介護が必要となる。  彼らの恵まれざる状況は深刻化していく。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■高年者は働く能力をもつ■~その先の年月に問題が残る~

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おはようございます。 未明の川崎は、晴れています。 しかし週末は、春の嵐、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、高年者については、 強制的な退職を何歳にしようとも、 その先の年月に問題が残ると続ける。 1900年頃には65歳まで職についていた人たちの 三割が、その後も働き続けた。 そして、その当時の人たちは、 今日の65歳よりも肉体的には はるかに貧弱で、仕事もきつい状況に置かれていた。 「どれだけの高年者がどれだけの期間、  どのような仕事に就きたいと  思っているかは分からない。  分かっていることは、  きわめて多くの高年者が  働く能力をもつということである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■高年者の置かれた状況■~働く権利を奪ってはならない。~

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おはようございます。 建国記念の日、快晴の休日の朝は 久しぶりのような気がする。 今日は一日晴れ、行楽日和です。 暖かくしてお楽しみ下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 「機会の平等」か「結果の平等」の いずれの方法をもってしても、 新しく人口の重心となった 高年者の平等は実現できないとする。 「機会の平等」という考えには、 門戸さえ開くならば、 あらゆる人間が結果の平等を 実現できるとの暗黙の前提がある。 そして機会さえ与えれば、 いかなる原因のものであれ、 あらゆる種類の不平等を解決し、 解消するとする。 「高年の退職者に対しては、  機会の平等を与えなければならない。  今日のように、働く権利を奪ってはならない。  しかしそれでもなお、  問題は緩和されるにすぎない。  解決はされない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■「機会の平等」か「結果の平等」か■~正義の否定、社会の罪~

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おはようございます。 この時間の川崎の朝は、 既に明るくなっています。 今朝も冷えています。 一日寒いようですね、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 結果の平等、特に所得の平等こそ 真の平等であり、機会の平等なるものは、 それ自体はなはだしい不平等である とする考えもむかしからあった。 その考えによれば、 卓越した能力もまた、 偶然の結果にすぎず、 遺産や身分や人種と同じようように、 より高い報酬を約束するもの であってはならないという。 この平等主義は、ハーバード大学の哲学者 ジョン・ロールズが主張したものである。 機会の平等は、所得の平等をもたらさないかぎり、 幻影にすぎず、これまで道徳哲学や 宗教が正義としてきたものは、 実は不正義であり、能力や成績への 報酬(あるいは罰)にすぎない。 正義とは、能力や気力など、 生来の資質が欠けるために、 結果の平等を手にしていない人たちに対し、 代償を与えることであるとする。   「社会は、結果として完全に平等たるべきであり、  そのためには意図して不平等な者に  味方しなければならない。  先天的な無能は社会のせいでは  ないかもしれない。  しかし、そこから生ずる不平等は  正義の否定であり、社会の罪である。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■機会の平等をもたらすための手段■~反革命であり、平等の敵~

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おはようございます。 未明の川崎は、今日も晴天、 冷え込んでいます。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ この考えをもっとも徹底して 主張したのが、カール・マルクスだった。 彼にとって、社会主義とは、 すべての人間に機会の平等を もたらすための手段だった。 そして、そのときが来る前に、 結果の平等を要求することは反革命であり、 平等の敵であると考えた。   「機会の平等によって、  生産性と生産の飛躍的な増大が実現され、  真に豊かな時代が始まる。  そのとき初めて、  生まれながらの能力の欠如から生ずる  結果の不平等の問題が解決される。  しかも、さしたる問題もなく解決される。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■いかにして平等を実現するか■~道徳哲学が正義~

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おはようございます。 未明の川崎は、晴天、 冷え込んでいます。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 歴史上、不平等に対する もっとも一般的な対策は、 機会の平等を与えることだった。 権利、雇用、教育について 平等に機会を与えることだったが、 機会の平等が、そのまま結果の 平等をもたらすわけではない。 能力や成果が違えば、 得られるものは平等でない。 だがこれこそ、 道徳哲学が正義という言葉で 表しているものだった。 機会の平等に対する 障害を取り除くことができれば、 経済的、社会的な成果は大幅に高まる。 その結果、社会的な能力を 著しく欠くために、 援助を必要とする人たちを 教うことも可能になる。   「機会の平等を完全に   実現することさえできれば、  問題は、生まれながらの   不平等に苦しむ人たちに絞られ、  不平等に関わる問題の   ほとんどが解決される。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■結果の不平等に苦しむ高年者■~突出する巨大な弱者~

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おはようございます。 久々に快晴の空が広がる川崎の朝です。 日曜日、行楽日和、暖かくしてお楽しみ下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、あらゆる弱者のうち、 結果においてもっとも 不平等に扱われているのは 高年の退職者であるとする。 この高年の退職者は、 いかなる弱者をも超えて 突出する巨大な弱者であり、 もっとも普遍的な弱者である。 誰かが彼らの犠牲のもとに 得をしているのわけではなく、 誰かが彼らから何かを奪い、 圧迫し、搾取しているわけではない。 そして、彼らは社会の犠牲者ではなく、 社会の成功者である。 にもかかわらず、彼らは弱者であり、 結果の不平等に苦しむ。   「年をとることは、望ましいことではない。  だがほとんどの者は、  死ぬよりは年をとるほうを選ぶ。  この弱者は、自らの過ちのゆえに  社会的に不遇なのではない。  他の者の過ちのゆえに不遇なのでもない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■二つの平等主義の対立■~弱者に対する機会~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝、 今朝も冷えました。 ぱっとしない天候の週末、 暖かくしてお出かけください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ この年金基金が誕生したころ、 弱者に対する機会の平等を求める 「機会の平等」運動がさかんになった。 人種、宗教、性とともに 年齢による雇用差別が、 法によって禁止された。 しかし現実には、65歳を超えて働くと ペナルティを科すという社会保障年金の定め、 また一定の年齢に達したものを 半ば強制的に退職させるという 企業年金の退職条項が、 年齢による雇用差別をもたらしている。 この二つは、今日、アメリカの もっとも深刻で広く行われている 機会の不平等の原因となっている。 そしてその後、「機会の平等」に対立するものとして 「結果の平等」を求める 戦闘的な運動が活溌化した。   「この新しい平等主義運動は、  今や先進国では社会運動の中心である。  現代社会の政治に対し、  これに勝る影響力をもつものは  民族主義運動だけである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■年金基金というイノベーション■~生産手段の真の所有者~

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おはようございます。 暦の上の春。 寒い寒い!! しかし、峠はもうすぐ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 社会主義を労働者による生産手段の所有 と定義するならば、 アメリカこそ史上初の 真の社会主義国であるとする。 年金基金を通じた従業員による産業所有は、 つまり、アメリカの従業員こそ、 生産手段の真の所有者であるといえる。 アメリカの従業員は、 賃金に加えて、年金基金を通じ 産業の所有者としての利益を手にし、 資本の所有者及び供給者として、 資本市場を支配しつつある。 アメリカだけが、マルクス経済学にいう 価値の源泉たる労働者が生産活動の成果を 手にするという意味において、 真の社会圭義を実現した。 それは、もっとも革命的とは呼べないGMの CEOチャールズ・ウィルソンが、 1952年4月、全米自動車労組に対して行った 年金基金創設の提案によるものだった。   「アメリカは意図することなく、  しかも国有化抜きに経済の社会化を実現した。  アメリカ経済が社会化したのは、  選挙でも闘争によってでもない。  いわんや革命の暴力によってでもない。  搾取してきた者からの没収の結果でもなければ、  資本主義の矛盾による危機が  契機となったものでもない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 6章 高齢者が政治を動かす) Amazonプライム・ビデオ

■市民性の概念の否定■~自由社会の基盤を侵食する。~

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おはようございます。 段々と朝の明るさが早くなった と思ったら今日は立春。 暦の上の春、 やはり寒いですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、もっとも明白かつ 大規模なばらまきは、 1990年の秋、ドイツの コール首相によって行われたとする。 彼は、旧東ドイツ地域の 選挙民の票を買うために、 平時においては未曾有の 巨額負債をドイツに背負わせた。 そして、彼は票を買うことに成功した。 だが、二年後の1992年秋には これが引き金となって、 大恐慌以来ヨーロッパで もっとも深刻な通貨危機が生じた。 このばらまき国家が、民主主義の基盤 そのものを侵食しつつあることは、 投票率の着実な低下が示している。 そして、政府の機能や、 政策上の課題や、 政治に対する国民の関心の 低下が示している。 こうして今や、選挙民の多くが、 自分個人にとって いずれが得かを基準に投票している。 イノベーションの祖シュンペーターは、 財政国家は結局政府の 統治能力を損なうことになると警告した。   「民主主義国家は、  公選された国民の代表が、  その第一の仕事として、  貪欲な政府から選挙民を守ってくれるとの  確信を前提に機能する。  したがって、ばらまき国家は  自由社会の基盤を侵食する。  票を買うために国民を貧しくすることは、  市民性の概念の否定である。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 5章 国民国家から大国家「メガステイト」へ) Amazonプライム・ビデオ