■職能別組織の適用範囲■~イノベーションとは相容れない。~





ドラッカーは、職能別組織の長所や欠点を指摘した。
では、この組織形態はどのような仕事に適用すべきなのか。

職能別組織の適用は、現業の仕事に限られる。
つまり、変化の少ない単純な仕事に適用すべきで、
複雑、多様、迅速で組織全体を俯瞰しながら意思決定を必要とするトップの仕事には適用すべきではない。

また、イノベーションの仕事についてもこの組織形態には適さない。
イノベーションとは、いまだかつて誰も行ったことのないこと、誰も知らないことをすることである。
このイノベーションの仕事も各種の専門能力を必要とするが、その専門能力をいつ、どこで、どれほど必要とするかは誰も知らない。
従ってあらかじめ、専門能力を職能別に組織することは不可能なのだ。


「イノベーションの仕事も各種の専門能力を必要とする。

 だが、その専門能力をいつ、どこで必要とし、

 それをいかなる程度にいかなる量を必要とするかは誰も知らない。

 イノベーションのための仕事を職能別に組織することは不可能である。

 イノベーションと職能別組織は相容れない。」


~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)





   

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