■トレードオフとバランス■~組織構造の設計に不可欠なもの~
組織として最小限持たなければならない条件が7個ある。
ドラッカーは、これらの条件は、組織の大小、複雑さの度合いにかかわらず、あらゆる組織に適用されると共に、公的機関にも適用されるとする。
さらに、企業内における三つの種類の活動にも適用される。
三つの種類の活動とは、
①今日の仕事を行い、今日の成果に責任を持つ活動
②明日に責任を持ち革新する活動
③今日と明日の活動に方向づけを行い、ビジョンを与え、とるべき方向を決定するトップマネジメントの活動
しかし、これらの条件の中には、相反するものもあり、すべての条件を常に完全に満足させる組織構造はない。
だが、いかなる組織でも、活動を永続するためには、これらの条件の多くを満足させなければならない。
そこで、これらの条件間でのトレードオフが必要になる。
組織が一つの構造のみを採用して、これらの条件の全てを満たすことができなくなると、その組織は、成果をあげられなくなる。
従って、いかに単純な組織であっても、五つの組織構造すべてについて、その内容、要求、限界、適性を理解しておくことが不可欠である。
「たとえ単純な組織であっても、いくつかの組織構造を同時に適用することが必要となる。
なぜなら、一つの組織構造にのみ従うことによって、
たとえこれらの条件の一つでも満足させることができなくなるならば、
成果をあげられなくなるからである。」
~P.F.ドラッカー「マネジメント」
(第7章 マネジメントの組織 33 組織の条件)
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