■一つのことに集中する■~記者時代の決心~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
ドラッカーは、「私の人生を変えた七つの経験」として、
自分自身の経験について語る。
●一つのことに集中する
ドラッカーはフランクフルトで
証券会社の見習いとして働いていたが、
ニューヨーク株式市場が大暴落したため、
会社がつぶれた。
その直後、フランクフルト最大の新聞社に
金融と外交を担当する記者として勤め始めた。
記者は、いろいろなことを書かなくてはならないので、
少なくとも、有能な記者として知らなければならないことは、
すべて知ろうと決心する。
そして、午後2時15分の勤務終了後の
午後の残りの時間と夜を使って、
何が何でも勉強することにした。
国際法、各種制度、機関、歴史、金融などについてだった。
ここでドラッカーは、
一時に一つのことに集中して勉強するという方法を
身につけ、以降もこの方法を守った。
統計学、中世史、日本画、経済学などをテーマに勉強した。
ドラッカーは、そのような学び方を通して、
テーマとした内容を、完全にマスターすることはできないが、
理解することはできるようになることを知ったとする。
「すでに60年以上にわたって、
一時に一つのテーマを勉強するという方法を続けてきた。
この方法でいろいろな知識を仕入れただけではない。
新しい体系やアプローチ、あるいは手法を
受け入れることができるようになった。
勉強したテーマのそれぞれに、
それぞれ別の前提や仮定があり、別の方法論があった。」
~『プロフェッショナルの条件』
(Part3 自らをマネジメントする 1章 私の人生を変えた七つの経験)
コメント