■新しい仕事が要求するもの■~シニアパートナーの教訓~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
ドラッカーは、「私の人生を変えた七つの経験」として、
自分自身の経験について語る。
●新しい仕事が要求するものを考える
次の教訓は、勤務した投資銀行の
シニアパートナーから学んだこと。
入社後三か月の頃、一人のシニアパートナーから
次のとおり言われた。
「君が入社してきたときはあまり評価していなかったし、
今もそれは変わらない。
しかし君は、思っていたよりも、
はるかに駄目だ。あきれるほどだ」。
さらに、私がやっているのは
証券アナリストの仕事で、
今の仕事で成果をあげることが
できていないと言われた。
その人の言うことは正しかった。
そこで、私は、仕事の内容も仕方も、
すっかり変えて、新しい仕事を始めるたびに、
「新しい仕事で成果をあげるには何をしなければならないか」
を自問している。
あらゆる組織において、人材の最大の浪費は
昇進人事の失敗であり、原因は、昇進した者が、
新しい任務に就いても、前の任務で成功していたこと、
昇進をもたらしてくれたことをやり続けること。
その結果、役に立たない仕事しかできなくなる。
彼ら自身が無能になったからではなく、
間違った仕事の仕方をしているのだ。
「新しい任務で成功するうえで必要なことは、
卓越した知識や卓越した才能ではない。
それは、新しい任務が要求するもの、
新しい挑戦、仕事、課題において
重要なことに集中することである。」
~『プロフェッショナルの条件』
(Part3 自らをマネジメントする 1章 私の人生を変えた七つの経験)
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