■皇帝と市民階級を律する■~軍人としての徳目~
おはようございます。
まだ昨日の名残雲が残る川崎の朝です。
いささか寒いですが、
日中は春の温かさになりそうです。
陽気に誘われますが、
人混みは避けましょう。
土曜日、今日も一日健やかにお過ごし下さい。
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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
ドラッカーは、
クレイマーはカイザーを
評価してはいなかったが、
彼を正統な君主とみなし、
毎年誕生日には、
祝意を表す電報を打っていた、
とした。
だがそれにしても、
クレイマーのブロシア信奉は、
片眼鏡と乗馬ブーツ姿よりも
時代錯誤だった、
と続ける。
もしクレイマーのいう
プロシア精神というものが
存在していたとしても、
それは1848年、
あるいは遅くとも、
ビスマルクによる
ドイツ帝国建国の1871年には、
消失していたものだった。
ドラッカーは、
プロシア精神とは、
数エーカーの捜せた土地にしがみつき、
地方官史や歩兵士官としての
わずかの俸給を支えとする
ユンカーのものであり、
それは、舞踏会用のドレスを
自ら仕立て直したという、
ナポレオン戦争時代の皇后を
ヒロインとする階層だった、
とする。
「しかしプロシアは、
皇帝と市民階級を等しく律する
規律と遵法を誇りにしていた。
教養どころか教育さえ十分でない、
しかし軽度なルーテル主義者だった。
そのプロシアは軍事国家だった。
軍を基盤とする社会だった。
軍人としての徳目、すなわち誠実、謙虚、自制、
忠誠を旨とし、実践する社会だった。」
(Ⅰ 失われた世界 7章キッシンジャーをつくった男クレイマー)
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