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4月, 2021の投稿を表示しています

■信仰を失い何事にも懐疑的■~ジョン・ノックスへと急変~

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 おはようございます。 快晴の朝ですね。 昨日の雨も上がり、青空が広がってます。 今日はこのまま晴れ、しかし明日はまた雨予報です。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 プレイスフォードは、 宗教的な人間だったが、 その宗旨は反宗教で、 非国教徒の牧師の家系であった、 とした。 そして、そのためか、 終生礼拝所の熱っぽさが抜けなかった、 と続ける。 生まれは1873年で、 あの年代の特徴として、 精神的に不安定な少年期を過ごし、 信仰を失い、 何事にも懐疑的だったが、 人の悪口を言ったことは 一度もなかった、 とする。 「ところが話が教会に及ぶや、  温和で優しい好人物が、  カトリック教徒の売春宿通いや  偶像崇拝を攻撃したジョン・ノックスへと急変し、  あらゆる教会、宗教、聖職者、信者を  罵倒するのだった。」  (Ⅱヨーロッパ人々 9章 反体制運動家ブレイスフォードの挫折)

■パイプとモルト・ウイスキー■~宗旨は反宗教~

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 おはようございます。 GW初日は朝から雨ですね。 明日にかけて、 このまま天候不調の様です。 少し静かにしていましょう。 木曜日、良い休日をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 プレイスフォードは、 クリスマス劇「長靴をはいた猫」 に出てくる猫そっくりだった、 とした。 そして、ナッツとチーズを主食にする ベジタリアンだったが、 客のためには自らステーキを料理し、 パイプとモルト・ウイスキーを愛した人だった、 と続ける。 ドラッカーは、 彼は、暖炉のそばで明け方まで人を寛がせ、 耳を傾け、力づけ、 ブレイスフォードに勝るホストには、 これまでお目にかかったことがない、 とする。 「彼は宗教的な人間だった。  しかしその宗旨は反宗教だった。  彼は、代々バプテストだったか  メソジストだったかの、  非国教徒の牧師の家系だった。」  (Ⅱヨーロッパ人々 9章 反体制運動家ブレイスフォードの挫折)

■最後の伝統の反体制■~「長靴をはいた猫」に出てくる猫~

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 おはようございます。 薄い雲が空を覆う川崎の朝です。 これから段々雲が厚みを増して、 明日には雨が降りそうですね。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 プレイスフォードは良心の人で、 国会議員に立候補して惨敗したが、 当選しても政治家としては、 半年ももたなかったに違いない、 とした。 そして、彼は常に、 時代にかかわってきたという意味では インサイダーだったが、 ほとんど何事に対しても、 道義として体質として異議を唱えた、 まさに最後のイギリス伝統の反体制だった、 と続ける。 ドラッカーは、 彼の値打ちはそこにあり、 重要なのは彼が言うことではなく、 彼がそこにいるということだった、 とする。 「彼はクリスマス劇  「長靴をはいた猫」に出てくる猫そっくりだった。  背は低め、肩幅は広め、  刈り込んだ白髪は逆立ち、  目をしばたかせ、  大きな口は優しかった。」  (Ⅱヨーロッパ人々 9章 反体制運動家ブレイスフォードの挫折)

■言ってみれば良心の人■~権力には無縁だった。~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 昨日、三回目の緊急事態宣言が発令されたが、 このコロナによる死亡者が、 1万人を超え、感染者数の比率は、 2%近くとなる。 この致死率は、 季節性のインフルエンザの 0.01%を大きく上回る。 命を守る行動が求められる中、 週後半から連休に突入する。 この芽吹きの季節に、 じっと巣ごもりができるのかな。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 プレイスフォードが書いた 明晰にして優雅な文章は、 彼の政治哲学とは無縁の ウィンストン・チャーチルや アンソニー・イーデンによっても引用された、 とした。 そして、 彼の文章は大西洋を隔てた 「ニュー・リパブリック」や 「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」 にも転載され、 ニューディール時代の ワシントンでも読まれた、 と続ける。 ドラッカーは、 プレイスフォードは、 左翼かぶれのインテリの 左翼ブッククラブ用にも 何冊か本を書いていたが、 いずれも書店に並ぶや ベストセラーになっていた、 とする。 「ブレイスフォードは権力には無縁だった。  言ってみれば良心の人だった。  一度下院に立候補して惨敗した。  それでよかった。  政治家としては、  半年ももたなかったに違いない。」  (Ⅱヨーロッパ人々 9章 反体制運動家ブレイスフォードの挫折)

■反体制運動家ブレイスフォード■~明晰にして優雅な文章~

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 おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 夜明が4時台に入り、 昼間が長くなりました。 昨日は雨の予想に反し、 晴れて暖かな一日でしたが、 今日は晴れてもいくらか肌寒そうです。 上着の調整が必要ですね。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ノエル・プレイスフォードが 1958年に亡くなったとき、 イギリスでさえ 彼の名を覚えている人は ほとんどいなかった、 とする。 しかし40年前あるいは25年前、 ノエル・プレイスフォードといえば、 イギリスとアメリカで 最も重きをなす文筆家の一人だった、 と続ける。 そしてドラッカーは、 1930年代の半ばに 二人の年齢差にもかかわらず、 プレイスフォードと 数年にわたって 親しく付き合わせてもらった、 とする。 彼はドラッカーの父よりも年上で、 当時すでに60代だったが、 人気も影響力も絶頂期にあって、 多忙を極めていた。 「『ニュー・ステーツマン』や  『マンチェスター・ガーディアン』での  明晰にして優雅な文章、  一八世紀の『スペクテイター』の影響を  強く受けた文章は、  彼の政治哲学とは無縁の  ウィンストン・チャーチルや  アンソニー・イーデンによっても引用された。」 (Ⅱヨーロッパ人々 9章 反体制運動家ブレイスフォードの挫折)

■無関心という名の罪■~「彼らが主を十字架につけたとき」~

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 おはようございます。 今朝は雲が多い川崎です。 これから、断続的な 雨模様の一日になりそうです。 ITの世界でイベントドリブン という用語がある。 人が入力した情報や 他のシステムからのアクションに反応して、 プログラムが何らかの動作を行う というような意味。 緊急事態宣言が今日から 5月11日までの短期間施行されるが、 日付の根拠は明らかにされていない。 スケジュールありき、 これをスケジュールドリブンという。 オリパラ開催時期をターゲットにした 政治判断でしかない。 国民の命を守ることを最優先とするならば、 状況をきちっと把握した 科学的根拠によるデータドリブンでなければねっ。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 これまで長い間、 怪物ヘンシュと 小羊シェイファーの二人のうち、 いずれが行なおうとしたことのほうが より大きな害を成したか、 またヘンシュの権力への欲求と シェイファーの自己への過信の いずれがより大きな罪だったかを 考えてきた、 とした。 そして、ドラッカーは、 おそらく最大の罪は、 これら昔からの 二つの悪ではなかったと 考えるに至った、 とする。 さらにドラッカーは、 最大の罪について、 次のとおり続ける。 「おそらく最大の罪は、  二〇世紀に特有の無関心という名の罪、  すなわち、殺しもしなかったし  嘘もつかなかった代わりに、  賛美歌にいう「彼らが主を十字架につけたとき」、  現実を直視することを拒否した  あの学識ある生化学者による罪のほうだったと  考えるに至っている。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■人は悪の道具とされる■~いずれがより大きな罪か~

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 おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 さわやかな微風が窓から入ってきます。 小田急ロマンスカーでの帰宅時、 近くの席の祖母と二十代の孫娘と 思しき二人連れが飲食しながらの 会話が止まらなかった。 通りかかった乗務員に、 二人を止める様に声かけを要請したが、 出来ないとの返事であったため、 じゃ僕が言いますよといったら、 制止され別の座席に移動してはどうかと進められた。 こちらはマスクをしているとはいえ、 密閉状態で小田急に身を任せている状態、 電車のご利用も自己責任で、 ってことでしょうか。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 いかなる条件においても 人が悪と取引をしてはならないのは 悪が平凡だからではなく、 人が平凡だからである、 とした。 そして、 ヘンシュのように、 自らの野心のために 悪を利用しようとするとき、 人は悪の道具とされる、 と続ける。 ドラッカーは、 シェイファーのように、 より大きな悪を防ぐために 悪を利用しようとするとき、 人は悪の道具とされるとし、 次のとおり続ける。 「これまで長い間、  私は、つまるところ、  彼ら怪物と小羊の二人のうち、  いずれが行なおうとしたことのほうが  より大きな害を成したか、  ヘンシュの権力への欲求と  シェイファーの自己への過信の  いずれがより大きな罪だったかを  考えてきた。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■「試みに遭わせず、悪より救い給え」■~平凡なのは悪ではなく人間~

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 おはようございます。 連日の快晴、 今日も明るい陽が射す川崎の朝です。 からからの晴天で空気が乾燥、 森林や住宅火災が続いています。 喉と火元に注意を。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 アーレント女史は、 悪を成す大悪人 という幻想にとらわれていたが、 現実にはほとんどの場合、 悪を成すのは平凡な者である、 とした。 そして悪が、ヘンシュや シェイファーを通して行なわれるのは、 悪が巨大であって、 人間が小さな存在だからにすぎない、 と続ける。 ドラッカーは、 悪を「闇の帝王」とする 一般の言い方のほうが正しく、 主の祈りが 「試みに遭わせず、悪より救い給え」 というのは、 人が小さく弱いからである、 とする。 「いかなる条件においても  人が悪と取引をしてはならないのは  悪が平凡だからではなく、  人が平凡だからである。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■悪を成す大悪人という幻想■~ほとんどの場合、平凡な者~

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 おはようございます。 今朝も快晴の川崎です。 昨日は夏日を記録したところも 多かったようですが、 今日はさらに上昇しそうです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 その二年後、 『ターゲスプラット』とシェイファーの 利用価値がなくなったとき、 いずれも姿形なく消え去った、 とした。 そして、 ナチスの大量殺人者 アイヒマンについての本の中で、 ドイツ系アメリカ人の哲学者、 ハンナ・アーレント女史は、 「悪の平凡さ」について書いたが、 これほどに不適切な言葉はない、 と続ける。 ドラッカーは、 悪が平凡なことはありえなく、 往々にして平凡なのは、 悪を成す者のほうである、 とする。 「アーレント女史は、  悪を成す大悪人  という幻想にとらわれている。  しかし、現実にはマクベス夫人など  ほとんどいない。  ほとんどの場合、  悪を成すのは平凡な者である。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■姿形なく消え去った■~馬鹿にしたようなご褒美~

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 おはようございます。 陽春に三日目の晴れ、 快晴の川崎の朝です。 この陽気でGWも近づき、 平常時ならウキウキする季節、 そんな中、いよいよ緊急事態宣言が発出される。 大阪に続き東京となれば、 一体的経済圏である首都圏、 京阪神にも広げなければ、 効果は限定的になるだろう。 これまでの政府施策は、 優先順位付けで失敗してきている。 これに頬被りせず、 国民の命を守る責任を果たすべく、 PDCAをしっかり実行してほしい。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ドイツの再軍備についての報道があれば、 その都度シェイファーが 『ターゲスプラット』紙において、 政府高官筋の談話を引用しつつ、 ヒトラーの平和への熱意を伝えた、 とした。 そして、これらの奉公に対して、 シェイファーは、 ときたま馬鹿にしたような ご褒美をもらった、 と続ける。 そのご褒美とは、 例えば、 二人の年輩のユダヤ人編集者を、 金融面の校正係として、 二か月だけ雇い続けることや、 動物性マーガリンや映画入場券への 増税を批判する短い社説を書くこと などを許されるというものであった。 「しかし二年後、  『ターゲスプラット』と  シェイファーの利用価値がなくなったとき、  いずれも姿形なく消え去ったのだった。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ヒトラーの平和への熱意■~偶々の行きすぎ~

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 おはようございます。 明るい陽が射し始めた川崎の朝です。 昨日は暖かく。 気持ちの良い晴天でしたが、 今日も快晴、 日中は上着を脱ぎたくなるような、 気温になりそうです。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーが 編集長に就任した途端、 ナチスはただちに彼を利用する形で、 大物への独占インタビューを許したが、 この大物達は反ユダヤ主義を否定し、 ユダヤ人の友人は何人もいると答えた。 そして、それらのインタビューは、 彼の署名入りで 『ターゲスプラット』に掲載された。 シェイファーは、 ナチスの残虐ぶりや迫害ぶりが 西側で報道される都度、 大使館や外国特派員の会合に派遣され、 偶々の行きすぎであり、 二度と繰り返されることはないと 請け合うという行動を行った。 「ドイツの再軍備についての報道があれば、  その都度シェイファーが  『ターゲスプラット』紙において、  政府高官筋の談話を引用しつつ、  ヒトラーの平和への熱意を伝えた。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■小羊に利用価値がなくなったとき■~汚いユダヤ人の嘘~

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 おはようございます。 今朝も快晴の川崎です。 今週は晴れマークが続くようで、 冬物じまいには いい時期になりそうですね。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーは、 自分ほどナチスに影響を 与えられる者はいないと思う、 とした。 その数日後、 シェイファーはベルリンで 大歓迎を受け、 肩書と金と名誉を与えられた。 そしてナチスの報道機関は、 こぞって、シェイファーの 『ベルリナー・ターゲスプラット』の 編集長就任は、 外国紙が報ずる ナチスの言論政策が、 汚いユダヤ人の 嘘であることを示す証左である、 と力説した。 「ナチスはただちにシェイファーを利用した。  彼は、ナチスの大物への  独占インタビューを許された。  彼らは反ユダヤ主義を否定し、  ユダヤ人の友人は何人もいると答えた。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■野蛮人から守ること■~ヴォルフの仕事を継ぐこと~

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 おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 昨日の雨も今日はすっかり上がり、 気持ちの良い青空が広がってます。 週明けはしばらく晴れが続きそうですね。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーは、 妻と共にアメリカが すっかり気に入ってしまい、 ドイツには帰らないつもりだったんだ と言った。 そして、「タイム」の便せんを使った ヘンリー・ルース直筆の 「タイム」「フォーチュン」、 近く創刊予定の写真誌「ライフ」の、 ヨーロッパ総局長への就任を要請する 手紙を引っぱり出して見せた。 シェイファーは、 ルースから、報酬は『ターゲスプラット』の 二倍出すと言ってくれた上に、 近いうちにトップマネジメントに 迎え入れたいとまで言ってくれたから、 妻もこの仕事を受けて欲しいと言っている、 と続けた。 さらに、 妻はドイツには戻りたくないんだが、 大戦から復員してきたシェイファーに 仕事をくれたテオドール・ヴォルフの 仕事を継ぐことは義務なんだとし、 次のとおり続けた。 「それに『ターゲスプラット』を  野蛮人から守ることも僕の義務だ。  国をナチスから守ることもだ。  ナチスの支配するベルリンに  期待するものは何もない。  しかし、私ほど、  ナチスに影響を与えられる者はいないと思う。  私ほど、彼らが必要とする者はいないからだ」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■年季の入ったジャーナリスト■~ドイツには帰らない~

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 おはようございます。 雲が空を覆う暗い川崎の朝です。 これから雨雲が近づいて、 昼頃からは雨が降り始めそうです。 お出かけには、雨具をお忘れなく。 土曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ モントゲラスはシェイファーに対して、 ナチスは国際世論など 気にしないでやってきた連中だから、 外を騙すために 君を利用することは 心配しないのか、 と問うた。 これに対してシェイファーは、 むっとして、自分は年季の入った ジャーナリストなんだから、 操ろうというのなら、 すぐに辞めてやる、 と続けた。 そして、困るのは彼らなんだから、 そのようなリスクは負えないはずだ、 と言った。 さらにモントゲラスは、 『ターゲスプラット』の 編集長になることが夢だったから、 このボストを受けるんじゃないだろうね、 と問うとシェイファーは、 次のとおり答えた。 「そう言われると思っていたよ。  そんなことはない。  君たち二人だけに言うんだけど、  妻と私は、  アメリカがすっかり気に入ってしまい、  ドイツには帰らないつもりだったんだ」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ナチスが君を利用すること■~馬鹿でも重視する~

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 おはようございます。 雲の合間から朝日が射し始めた川崎の朝です。 昨日、日中は晴れてぽかぽか陽気でしたが、 今日は雲の多い一日になりそうです。 春に三日の晴れなし、明日はまた雨模様です。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーは、 アメリカが彼を見ているから、 ナチスは、 頼らざるをえないことを 知るはずだ、 とした。   そして、今度ルーズベルトが任命した 駐ドイツ大使のシカゴの歴史学者とも 会ってきたが、彼はナチスへのチャンネルに シェイファーを使いたいと 言っていた、 と続ける。 さらに、ナチスがいかに馬鹿でも、 このことは重視しなければならないはずだ、 と言ったことに対して、 モントゲラスが次のとおり言った。 「でもバウル、  ナチスが外を騙すために  君を利用することは心配しないのか?  いずれにしても、  国際世論など気にしないで  やってきた連中だし」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■シェイファーの自己過信■~アメリカが僕を見ている~

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 おはようございます。 冷え込んだ朝、 窓露がしたたり落ちていますが、 明るい日が差しはじめました。 日中は快晴で、暖かい一日になりそうです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーは、 ナチスには、 誰に話したらよいか、 誰の言うことに耳を傾けるかを 知っている者が必要だ、 とした。 そして、 ナチスには、 外のことを知っている人間が 一人もいないからこそ、 自分が必要なのだと、 続ける。 さらに、 これこれの野蛮なことは 面倒のもとだとか、 アングロサクソンの世論に 注意しなければならない、 といったことを教えて やらなければならないのだとした上で、 次のとおり付け加えた。 「最低限の敬意を得るためにも、  慎まなければならない言動というものがある。  彼らにしても、  僕に頼らざるをえないことを知るはずだ。  アメリカが僕を見ているからね。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■聞いてもらい理解してもらう■~誰の言うことに耳を傾けるか~

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 おはようございます。 小雨の降る川崎の朝です。 これから一日降ったりやんだり、 雨具は必携ですよ。 昨日帰宅時の小田急浪漫電車で、 後ろの席の男が、 マスクなしで大きなクシャミ、 隣に座った男も咳くしゃみ、 思わずひっぱたきたかったが。。 飲み屋に行かない昨今、 家庭に持ち込むのも、 会社に持ち込むのも、 移動時の接触しかないように思うが、 鉄道クラスタという言葉を聞いたことがない。 まぁ在宅勤務で乗り切ろう。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ シェイファーは、 ドイツで怖ろしいことが 起こっているからこのポストを 引き受けなければならない、 事態の悪化を防げるのは、 自分しかいない、 と言った。 そして、 ナチスとしても、 ニューヨークやロンドンからの借款や、 西側との貿易などについて、 誰かに聞いてもらって 理解してもらうことが必要になる、 と話した。 さらに次のようにと続けた。 「誰に話したらよいか、  誰の言うことに耳を傾けるかを  知っている者が必要だ。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ナチスが必要としている■~事態の悪化を防ぐため~

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 おはようございます。 雲が空を覆う暗い川崎の朝です。 今日はこのまま暗い一日、 午後にかけ時々雨も降りそうです。 雨具はお忘れなく。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 「ベルリナー・ターゲスプラット」 の編集長ヴォルフは、 ユダヤ人だったため、 政権を取ったナチスにより、 予定より二年早く追放された、 とした。 そこでシェイファーが、 ベルリンに戻って 後を継ぐように ナチスから要請された、 続ける。 ルーズベルトが 大統領に就任した後の三月、 彼は船に乗ったが、 まだ気持ちが固まていなかったため、 モントゲラスの勧めもあって ロンドンに二、三日寄ることにした。 ドラッカーは、 結局シェイファーは、 ドイツで起こっていることについて、 ドラッカーよりもよく知っており、 甘いことは考えていなかった、 とする。 シェイファーは、 「ニューヨーク・タイムズ」の ヨーロッパ特派員や国務省から 情報を得ていたようで、 次のように続けた。 「私がこのポストを  引き受けなければならないのは、  まさにドイツで怖ろしいことが  起こっているからなんだ。  事態の悪化を防げるのは、私しかいない。  ナチスは私を必要とし、  『ターゲスブラット』を必要としている」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ヨーロッパへの重要なチャンネル■~ナチスによる追放~

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 おはようございます。 快晴の川崎の朝、 久しぶりの土日快晴でしたね。 この陽気で人手も多かったようです。 今日から東京を含め蔓防が実施されるが、 やれる人はやれることをやっている、 やれない人間はこれまでもこれからもやらない。 政府の施策に国民はもはや反応しない。 反応しなければ二の手が打てない。 失策だ。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ドイツにおいて 「ベルリナー・ターゲスプラット」 の編集長ヴォルフが育てたシェイファーは、 着任早々アメリカの政界で注目すべきは、 フランクリン・ルーズベルトである との結論に達した、 とした。 そして、彼の記事は、 「ターゲスブラット」を始めとする ヨーロッパの主要紙に加え、 アメリカの主要紙でも掲載された、 と続ける。 彼は、ルーズベルトが 大統領に就任するや、 さらに密着すべく ワシントンに本拠を移し、 ルーズベルトのほうも、 シェイファーとの接触を深めるとともに、 彼をヨーロッパへの重要な チャンネルとみなした、 とする。 「ヴォルフが80歳を迎え、  かつ編集長生活50年となる  1935年に引退するつもりでいることは、  ヨーロッパ中のマスコミが知っていた。  ところが彼は、ユダヤ人だった。  そのため彼は、予定より二年早く、  政権を取ったナチスによって追放された。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ビスマルクの時代■~ルーズベルトに注目~

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 おはようございます。 快晴の川崎の朝、 雲のない青空が広がってます。 今日は日中も晴れて、 暖かな一日になりそうです。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ドイツにおいて 「ベルリナー・ターゲスプラット」は 「ニューヨーク・タイムズ」や 「ザ・タイムズ」の位置を占める 最高の新聞と評価されていた、 とした。 そして創刊は、 老皇帝ウィルヘルム一世が在位中で、 ビスマルクが首相を務めていた1885年で、 同紙はその後ずっと、 創立者兼編集長の テオドール・ヴォルフによって 率いられていたた、 と続ける。 そのヴェルドフが、 1920年代の初頭から、 後継者として パウル・シェイファーを育てたが、 その最後の仕上げとして、 1929年、シェイファーをアメリカに 派遣したのだった。 「シェイファーは着任早々、  アメリカの政界で注目すべきは、  ニューヨーク州知事に就任したばかりの  フランクリン・デラノ・ルーズベルトである  との結論に達した。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■とんでもない悲劇■~「ニューヨーク・タイムズ」や「ザ・タイムズ」~

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 おはようございます。 東の空がだんだん明るくなってきました。 このところ少し朝の冷え込みが戻ってきましたが、 これで例年並みのようですね。 日中は、快晴で暖かな一日になりそうです。 明日は孫たちの、卒業、入学、入社、入試失敗の激励会を、 貸し切り空間で予定しています。 春ですね。 土曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ モントゲラスは、 バウル・シェイファーが ナチスからの 「ベルリナー・ターゲスプラット」 編集長ポストの要請を受ける気のようだ、 と言った。 そして、 モントゲラスはシェイファーに ぜひ立寄って、再考してくれと 言ってやったんだ、 と続けた。 モントゲラスはシェイファーが、 そのボストを受けると、 とんでもない悲劇になるが、 ドイツから出てきたばかりの ドラッカーなら、 彼が飛び込もうとしている世界が どんなになっているかを 教えてやれると思うんだ、 と言った。 「「ベルリナー・ターゲスプラット」は  すでに半世紀にわたり、  ドイツにおいて、  アメリカの「ニューヨーク・タイムズ」や  イギリスの「ザ・タイムズ」の位置を占めていた。  つまり最大の発行部数を  誇っているわけではなかったが、  最高の新聞と評価されていた。」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■特派員を辞任したところ■~「ベルリナー・ターゲスプラット」の編集長~

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おはようございます。 雲がたくさん浮かんでますが、 合間から日が差し始めています。 日中はいくらか雲が取れそうですが、 風が強そうで、肌寒い一日になりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ロンドンでも最も敬意を払われている 外国特派員モントゲラスを知っていた、 とした。 ドラッカーは、 ウィーンを発つ前に、 ロンドンの彼に一報を入れたところ、 助力の欲しいことがあるので至急来て欲しい、 との電報をもらったのだった。 到着するとモントゲラスは、 事務所で荷づくりをしているところだったが、 彼もまた、ナチスが政権を取り、 ウルシュタイン社がナチスの 指揮下に入ったことを知って、 ナチス任命の新社長からの要請を蹴り、 特派員を辞任したところだった。 「電報を打ったのは、  あのバウル・シェイファーが  今日明日にも来るからなんだ。  ニューヨークから着くことになっている。  「ベルリナー・ターゲスプラット」の  編集長のポストを提示され、  どうやら、受ける気のようだ」 (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■小羊シェイファーとの出会い■~ロンドン特派員モントゲラス伯爵~

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 おはようございます。 雲が空を覆う暗い川崎の朝です。 日中はいくらか雲が取れ、 暖かくなりそうですが、 午後にはにわか雨の心配もありそうです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ヘンシュが訪ねてきた翌日の昼には、 ウィーン行きの汽車に乗っていた、 とする。 ドラッカーが「小羊」に会ったのは、 その一か月後の1923年の4月で、 フランクフルトを出て、 ウィーンで数週間過ごした後、 ロンドンに行くことにした、 と続ける。 しかしロンドンには、 知り合いと言える者は、 ベルリンの出版社ウルシュタイン社の ロンドン特派員、 アルベルト・モントゲラス伯爵 一人しかいなかった。 そのモントグラスは、 ロンドンの駐在が長く、 ロンドンでも最も敬意を払われている 外国特派員になっていた、 とする。 「そのモントゲラスを私は知っていた。  というのは、  彼がベルリンの本社へ出張した際、  ほんの数時間フランクフルトに立ち寄り、  そのわずかの時間の間に、  彼と私は、彼が30代後半、  私が23歳という年の差にもかかわらず、  かなり親しくなってしまったのだった。」  (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■処女作「「経済人」の終わり」になった■~ウィーン行きの汽車に乗っていた~

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 おはようございます。 雲が段々取れ、 東から明るい青空がのぞき始めました。 昨日は肌寒い一日でしたが、 今日は晴れて暖かくなりそうです。 休肝日明けの水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュが訪ねてきた夜、 ドラッカーは、 これから起ころうとしている、 身の毛もよだつ血生臭い低劣な獣が、 この世に襲いかかる様が見えた、 とした。 そして、その時そこで、 夢でも見るように見えたものが、 やがてドラッカーの初めての 本格的な著作となる、 処女作「「経済人」の終わり」 になったのだ、 と続ける。 ドラッカーはその晩、 眠るところではなく、 すぐにもタイプを叩きたかったが、 それをようやくこらえて 荷づくりを始め、翌日の昼には ウィーン行きの汽車に乗っていた、 とする。 「エリーゼは何も言ってこなかった。  ヘンシュからも音沙汰はなかった。  噂を耳にしたこともなかった。  12年ぶりの消息が、実家の廃墟での最後だった。」  (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■身の毛もよだつ血生臭い獣■~これから起ころうとしていること~

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 おはようございます。 明るい日が差し始めた 川崎の朝です。 少しですが久しぶりに、 冷え込みました。 これまでが暖か過ぎで これで例年並みなんでしょうね。 日中も上着が必要な気温、 寒暖差に気を付けましょう。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュは、 今こそ僕の時代になり、 必ず僕の評判を 耳にするようになるから、 よく見ていてくれよ、 と言った。 そして彼は部屋を飛び出し、 踏段を下りていったが、 もう一度ドアの所で立ち止まり、 大きな声で エリーゼを助けると約束したことを 忘れるなよ、 と言った。 その晩ドラッカーは、 三年間で初めて 部屋の鍵をかけたが、 そのとき、 これから起きることが見えた、 とする。 「これから起ころうとしていること、  身の毛もよだつ血生臭い低劣な獣が、  この世に襲いかかる様が見えた。」  (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ナチスに入党しひとかとになる■~今こそ僕の時代~

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 おはようございます。 雲が空を覆う暗い川崎の朝です。 雨が時々降ってますが、 段々と上がってきそうです。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュは、 未だに市役所回りで、 文章も下手で、 誰も僕を家に招待してくれないし、 歯医者をしている エリーゼの父親も 彼女には不釣り合いだと思っているんだ、 と言った。 そして ヘンシュは力が欲しく、 金が欲しくて、 ひとかとになりたいと思ったから 四、五年前、ようやく彼らが 伸び始めたという早い時期に ナチスに入党しておいたから、 今じゃ、党員証の番号はかなり若いので、 これでひとかとになれるんだ、 と続けた。 さらにヘンシュは言う。 「頭がよくて、育ちがよくて、  コネのある連中は、頭が固いし、  汚い仕事ができない。  今こそ僕の時代なんだ。  よく見ていてくれよ。  必ず僕の評判を耳にするようになるから」  (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ヒトラーの「我が闘争」■~外国にコネもなく、父親は職人~

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 おはようございます。 明るい日が差し始めた川崎の朝です。 日中は20度超え、 暖かな一日になりそうです。 土曜日、よい週末をお過ごしください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュは、 ナチスが外部の者がいないとき、 上の連中が何を言っているか、 ドラッカーには想像もつかないはずだよ、 と言った。 これに対してドラッカーは、 ヒトラーが「我が闘争」に 詳しく書いているので、 想像しなくともわかると言ってやった、 と続ける。 そしてさらにドラッカーは、 ヘンシュに対して、 まだ三〇歳にもなっていないし、 所帯持ちでもなく、 経済学の学位だって持っているので、 外国でも仕事を見つけるのに 苦労することはないと思うが、 どうしてドイツから 出ていかないのか、 と言った。 ヘンシュは次のとおり答えた。 「言うのは簡単だ。  君は外国語がしゃべれる。  ドイツの外のことを知っている。  僕がフランクフルトからさえ  出たことのないのを知っているかい。  ベルリンにさえ行ったことがないんだ。  外国にはコネもない。  父親は職人なんだ」   (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■ナチスだってできるわけがない■~想像もつかない発言~

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 おはようございます。 雲が空を覆う暗い川崎の朝です。 日中はいくらか雲が取れそうですが、 昨日と比べて肌寒い一日になりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュは、 今は二〇世紀なんだから ナチスはできないことぐらい わからなければならないと思うし、 エリーゼもそう言っている、 と言った。 そして、ヘンシュがドイツから 出ていったほうがいいと言ったら、 エリーゼは、 頭がおかしくなったんじゃないの と言ったと続けた。 ヘンシュは、自分自身たしかに 頭がおかしいのかもしれないが、 ナチスだって、言っているようなことは できるわけがないとし、 さらに次のとおり続ける。 「でも本当に怖くなってきたんだ。  外部の者がいないとき、  上の連中が何を言っているか、  君には想像もつかないはずだよ」   (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

■正気じゃない、本当に怖くなる■~今は二〇世紀なんだから~

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 おはようございます。 薄い雲が空を覆う川崎の朝です。 これから雲が取れて 晴れの一日になりそうですね。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ヘンシュはドラッカーに、 エリーゼは、 外国に知り合いが一人もいないので、 連絡先を教えてもらえないものだろうか、 と言った。 そして彼は、 ドラッカーの両親のウィーンの住所を写し、 再び帰ろうとしてが、 また座り込んで黙ってしまった後、 突然話し始めた。 ヘンシュは、 どこかへ行ってしまいたいが、 今じゃ幹部となっているため、 それもできないし、 党の会議に出ていると、 ユダヤ人は皆殺しだとか、 反対する奴や総統のことを信じない奴は、 ぶち込むか殺しちまおう、 と本気で言う尋常じゃない奴もおり、 本当に怖ろしくなる、 と言った。 そしてさらに、 正気じゃない、本当に怖くなる、 一年前にドラッカーが、 ナチスは言葉通りのことを 信じているんだから、 言葉通りに受け取らなければ駄目だと 言ったのを憶えている、 と言った。 「でも僕は、選挙用の宣伝文句で、  何も意味はないと思っていた。  今でもそう思っている。  もう政権を握ったんだから、  できないことぐらいわからなければならないんだ。  今は二〇世紀なんだからね。  僕の両親もそう言っている。  エリーゼもそう言っている」   (Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)