■正気じゃない、本当に怖くなる■~今は二〇世紀なんだから~

 おはようございます。


薄い雲が空を覆う川崎の朝です。


これから雲が取れて

晴れの一日になりそうですね。


木曜日、今日も一日よろしくお願いします。

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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬




ヘンシュはドラッカーに、

エリーゼは、

外国に知り合いが一人もいないので、

連絡先を教えてもらえないものだろうか、

と言った。



そして彼は、

ドラッカーの両親のウィーンの住所を写し、

再び帰ろうとしてが、

また座り込んで黙ってしまった後、

突然話し始めた。



ヘンシュは、

どこかへ行ってしまいたいが、

今じゃ幹部となっているため、

それもできないし、

党の会議に出ていると、

ユダヤ人は皆殺しだとか、

反対する奴や総統のことを信じない奴は、

ぶち込むか殺しちまおう、

と本気で言う尋常じゃない奴もおり、

本当に怖ろしくなる、

と言った。



そしてさらに、

正気じゃない、本当に怖くなる、

一年前にドラッカーが、

ナチスは言葉通りのことを

信じているんだから、

言葉通りに受け取らなければ駄目だと

言ったのを憶えている、

と言った。




「でも僕は、選挙用の宣伝文句で、


 何も意味はないと思っていた。


 今でもそう思っている。


 もう政権を握ったんだから、


 できないことぐらいわからなければならないんだ。


 今は二〇世紀なんだからね。


 僕の両親もそう言っている。


 エリーゼもそう言っている」


 


(Ⅱヨーロッパ人々 8章 怪物ヘンシュと小羊シェイファーの運命)

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