■マリアの朗読と暗誦■~あらゆる役柄と心の動きを演じきった~
おはようございます。
朝から蒸し暑い川崎です。
日中は猛暑、熱中症で多くの人が
命を落としています。
十分警戒して下さい。
日曜日、健やかな休日をお過ごし下さい。
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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
トラウン伯爵と
舞台女優マリア・ミュラーの二人は、
クリスマスと元日は昼食の前に、
ワインと花を手に
必ずドラッカー家に来ていた。
ドラッカーは、
昼食が終わる頃には、
話に花が咲いていたが、
ちょっと変わった会話ではあった、
とする。
そして、
二人は常に英語で話し、
マリアは完全なバイリンガルで、
伯爵はオーストリアの旧家の出だったが、
ドイツ語のほうに英語のアクセントが
入っていた、
と続ける。
昼食がすむと、
皆にせがまれたマリアが必ず
朗読と暗誦をしてくれたが、
これこそが、両親と私たち兄弟、
わが家のメイドと料理人、
近くの知り合いが
待ちに待っていたものだった、
とする。
「マリア・ミュラーほど
きれいな声は聞いたことがない。
木管楽器やバロック・オルガンのような
温かみのある音色のアルトだった。
リズムと抑揚のわずかな変化で、
あらゆる役柄と心の動きを演じきった。」
~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」
(Ⅰ 失われた世界 5章トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラーの物語)
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