■光の届かない片隅に■~無惨な左半身~
おはようございます。
曇り空、湿気満載の川崎の朝です。
台風9号は日本海を抜けましたが、
続いて最強レベルの10号が、
九州に向かって北上中。
来週明けに最接近予報、ご注意を。
木曜日、今日も一日健やかにお過ごし下さい。
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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
ドラッカーは、
このようなミス・マリアに魅せられて、
誰も伯爵を気にすることはなかったが、
伯爵自身も目立たぬようにしていた、
とする。
伯爵はいつもマリアを見ており、
自分は光の届かない片隅に座っていたが、
いつも体の一方、
右側を部屋のほうに向けていた、
と続ける。
ドラッカーは、
彼の左半身は無惨に傷んでおり、
黒い眼帯はしていたが、
明らかに左眼は失われて
窪んでいた、
とする。
そして、さらに左頬は大きな傷痕と
小さな穴だらけで、
左手は革で覆われた義手で、
先端にはスチールの手鉤が付いていた、
と続ける。
「食事のときにはこの義手でグラスを持ち、
フォークを操った。
左足も不自由だった。
しかし伯爵は、これらのこと一切を気にしていなかった。
とはいえ、できるだけ後ろに引き下がり、
右半身だけを見せるようにしていた。」
~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」
(Ⅰ 失われた世界 5章トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラーの物語)
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