ドラッカーは、企業が有効な事業活動を行うために、まづ必要なことは”自社をいかに定義するか”とした。
続いて自らの企業の目的と使命を定義する必要がある。
マクドナルドはハンバーガを売り、田中貴金属は金の売買を行い、東京電力は電力を作る。
わかりきった定義であるが、ドラッカーは、わかりきった答えが正しいことはほとんどないとする。
正しい答えは、顧客が企業をどう見ているか、”顧客が企業をどう定義するか”にある。
顧客はマクドナルドを、小腹を満たしたいという理由だけではなく、”安価で早くほっとできる空間”として選ぶ。
また、貯蓄用の現金を銀行や株式ではなく”有利な投資先”として田中貴金属での金の購入を選ぶ。
そして、電力は、東電が選択されているわけではなく、生活の必需品として、ガスや水道と同様に”公共サービス”として提供を受けてい
るに過ぎない。
企業は、これらの顧客が持っている定義を理解し、満足させることこそ、企業の使命であり目的である。
”事業の定義”は企業を顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができるんですね。
「顧客にとっての関心は、彼らにとっての価値、欲求、現実である。
この事実からしても、「われわれの事業は何か」との問いに答えるには、
顧客からスタートしなければならない。
すなわち顧客の価値、欲求、期待、現実、状況、行動から
スタートしなければならない。」
~「マネジメント」
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