■マネジメントという骨格■~堅い皮膚で支えられた昆虫~





ドラッカーは、マネジメントの質の変化の必要性について、
堅い丈夫な皮膚で支えられた昆虫と、骨格で支えられた脊椎動物に例える。

昆虫は堅い皮膚で支えられているため、ある一定の大きさと複雑さ以上には
成長できない。
成長するためには、骨格が必要となるが、その皮膚が骨格に進化することはない。
皮膚と骨格は発生源の異なる異質の器官である。

企業に置き換えると、オーナー兼起業家という堅い皮膚で支えら得た企業は
一定以上の成長に耐えられない。
成長のためには、マネジメントを必要とする。

この堅い皮膚をマネジメント・チームという骨格と交替する必要がある。
しかも皮膚は骨格に進化することはない。完全な交替が必要になる。

企業が成長に際して、多様な課題を同時に遂行する必要が出てきたとき、
そこにマネジメントがなければ、組織は管理不能となり、
目的を達成するために必要となる計画は実行されなくなる。
管理されない組織は各部分が、勝手な目的と目標を持ち活動するようになる。

ドラッカーは、たとえ製品が優れ、従業員やボスがいかに有能であっても、
マネジメントのない組織に成長はないとする。

「マネジメントを欠くとき、組織は管理不能となり、

 計画は実行に移されなくなる。

 組織は、マネジメントという骨格を持つように変身しないかぎり、

 失敗を重ね、停滞し、坂を下りはじめる。」



~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(パート2 20 マネジメントの必要性)







   

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