■マネジャーに共通の五つの仕事■~優れた外科医になれない~
マネジャーの二つ目の役割は、”今と将来の調和”である。
ドラッカーは、次にマネジャーの行うべき仕事について述べる。
マネジャーは、マネジメント以外に自らの属する部門や組織の仕事に
多くの時間を使う。
営業部長は売上げデータの分析を行い、上得意顧客の相談に乗る。
工場のグループリーダは工具を修理し、生産データの報告を行う。
R&Dは新しい技術を研究し、PMOは組織や作業の品質を管理する。
だがそれらの仕事は、マネジャーだけが行うべき、全てのマネジャーに
共通した仕事ではない。
ではあらゆるマネジャーに共通する仕事とはなにか。
ドラッカーは次の五つであるとする。
◆目標を設定する。◆組織する。◆勤機づけとコミュニケーションを図る。
◆評価測定する。◆人材を開発する。
ドラッカーは、マネジャーの仕事を外科医の仕事に例える。
マネジャーは、、目標を設定するというだけでマネジャーになれるわけではない。
同様に外科医は狭いところで糸を結べるだけでは外科医になれない。
外科医は糸を結ぶ技能を向上させれば、それだけ外科医として進歩するように、
マネジャーもこれら五つの基本的な仕事すべてについて、
能力と仕事ぶりを向上させれば、それだけマネジャーとして進歩する。
「目標を設定するというだけでマネジャーになれるわけではない。
狭いところで糸を結べるだけでは外科医になれない。
しかし、目標を設定する能力がなければ適格なマネジャーにはなれない。
それは、糸を結べなければ優れた外科医になれないのと同じである。」
~P.F.ドラッカー「マネジメント」
(第5章 マネジャー 22 マネジャーの仕事)
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