■イノベーションの戦略とは?■~昨日を捨てる。~
∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
ドラッカーは、まず初めに、予測可能なイノベーションに焦点を合わせた戦略を持つ。
そして、その戦略実行のプロセスの中で、予測不能なイノベーションに対する感覚を育て、
早く察知し活用する体制をつくっておかなければならないとした。
次に、イノベーションの戦略について触れている。
まず、既存事業の戦略と同様に「われわれの事業は何か。何であるべきか」
との問いから始まるべきだが、次の点で、イノベーションと既存事業の戦略は
異なるとする。
▲未来に関する仮定
既存事業の戦略:現在の製品、サービス、市場、流通チャネル、技術、工程は
継続するものと仮定する。
イノベーションの戦略:既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。
▲戦略の指針
既存事業:より良くより多くのもの。
イノベーション:より新しくより違ったもの。
イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、
陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。
▲組織活動
既存事業:昨日を守るために時間と資源を使う。
イノベーション:昨日を捨て、資源、特に人材という貴重な資源を
新しいもののために解放する。
そして、次に重要なことは、目標を高く設定することであるとする。
なぜなら、イノベーションの成功率はせいぜい10%なので、
残り90%のコストの埋め合わせを行う必要があるのだ。
一つの成功が他の九つの失敗の埋め合わせをしなければならないこととなる。
「イノベーションを行う組織は、
昨日を守るために時間と資源を使わない。
昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を
新しいもののために解放できる。」
~P.F.ドラッカー「マネジメント」
(第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)
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