■柔軟さと連携による敏捷性■~四次元のチェス~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
静かな革命についてのマネジメントの意味合い。
③戦略の策定が、年一回の定型業務から常時取り組むべきリアルタイムの業務になった。
かつて経営戦略とは、チェスの戦略と同じで、
チェックメイト目指して、いくつかの手のうちからベストのものを一つ選び、
戦略に優れたものが勝っていた。
ところが今日、チェスが四次元になった。
対戦相手だけではなく、まだ顔の見えない顧客や、
急速に変わるルールを考えなければならなくなった。
1990年代までは戦略に関して考えるべきことは、
3Cであり、規制や競合などの障害事項も明らかだった。
企業は三か月をかけて戦略を策定し、
予算化し、人事を行えば良かった。
しかし今日では通用しない。
昨日の考え方では、市場や顧客を理解できない。
たとえ適切な生産設備と優秀な人材に恵まれても、
”顧客にアクセスするための優先通行権”
を持つことはできない。
いまや顧客の購買行動は、無数の要因によって影響を受ける。
機会はさっと現れて、さっと消える。
じっくりと、戦略目標を定める時間はなく、
方向を定められるにすぎない。
「リアルタイムに成果を知り、
直ちに行動にフィードバックしていかなければならない。
組み合わせ自在の時代にあっては、
柔軟さと連携による敏捷性が不可欠である。」
~『P.F.ドラッカー 理想企業を求めて』
(第1章 組み合わせ自在の世界)
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