■ナチスのブラックリスト■~いつでも逃げられるように~

 おはようございます。


秋晴れの青空が広がる、

川崎の朝です。


アメリカ大統領選の開票作業が

まもなく始まる。

予測不能の状況の中どちら

に軍配が上がるかのか注目。


休肝日明けの水曜日、

今日も一日よろしくお願いします。


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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬



トラウン伯爵は、

ドラッカーの父はフリーメーソンの

オーストリアの団長なんだ、

とドラッカーに話した。



ドラッカーはこのことを知っていたが、

父親はフリーメーソンの秘密を守っていたので、

父から聞いたわけではなかった、

と続けた。



伯爵は、ドラッカーがフリーメーソンを

どう思っているかは知らないし、

私自身は会員ではないが、

父親の名前がナチスの

ブラックリストに載っていることは

間違いないので、もう何年も、

いつでも逃げられるようにしておくように言ってきたが、

聞き入れてくれないんだ、

とした。




その年の秋、

ドラッカーの弟がアメリカへ行ったので、

家が二人には大きくなりすぎており、

クリスマスに帰ってきた後で売りに出して、

ちょうどよい値で売れたところだ、

と答えて伯爵を安心させてやることができた。





「そのお金もすぐにチューリッヒの銀行に送金しました。


 ニューヨークでの私の落ち着き先が決まり次第、


 ナチスの手の届かないよう、


 私の名義でニューヨークに移す予定です。


 両親はすぐにでもアパートに移ります」


~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」

(Ⅰ 失われた世界 5章トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラーの物語)

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