■ドイツ軍が堂々と行進してきた日■~二人は静かに心中した。~
おはようございます。
夜明け間もない川崎の朝、
青空が広がっています。
アメリカ大統領選は、
予想通りの混乱、
泥沼状態に突入しようとしてる。
我々の感覚ではどうも理解できないが、
どうなるのだろう。
木曜日、今日も一日よろしくお願いします。
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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬
ドラッカーは、
両親をナチスから逃すために、
住居を売り払い、
すぐにでもアパートに移るように手配した、
と伯爵に話した。
それに、どこからでも出国できるよう、
周りのスイス、チェコ、ハンガリー、
ユーゴの二年間有効のビザを取らせた、
と続ける。
伯爵はそれを聞き、
それ以上のことはできないだろう、
と喜んだが、ドラッカーが伯爵に、
ナチスが来たら、
どうするつもりなんですか、
どこへ行かれますかと聞いたところ、
伯爵は、どこにも行かない、
僕たちには子供もいないことだし、
と答えた。
そして、一年もしないうちに
ナチスが本当にやって来たが、
彼らの持っていたリストが古く、
突撃隊を一年前に売った家に
派遣してくれたおかげで両親は助かったが、
彼らがリストの間違いに気付いた頃には、
一年前に取ったビザを手に
チューリッヒ行きの汽車に乗っていた。
「トラウン伯爵とマリア・ミュラーも
ナチスの手を逃れた。
ドイツがオーストリアを併合し、
ドイツ軍が堂々とウィーンに行進してきた日、
二人は静かに心中した。」
~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」
(Ⅰ 失われた世界 5章トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラーの物語)
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