■市場による統合■~有効な戦略が前提~






ドラッカーは、多角化を調和させ、一体性を保つための方法は二つしかないとした。

その1【共通の市場】
◆これまで対象としてきた市場に、多角化した異なるなる事業や技術を投入すること。
しかし、ここにも二点の注意点がある。


▲市場を決めるのは、生産者ではなく顧客である。
企業が、すでに対象としてきた熟知した市場に向けて新しい活動をする際には、
顧客がその新しい活動を市場の一部、と見なさなければならない。
技術や流通チャネルを持っていたとしても顧客が認めなければ多角化は失敗に終わる。
例えば、電子機器メーカが高い技術力や量販店チャネルを持っていて、
新たに調理器具にチャレンジしたとしても、顧客である主婦に、この商品、メーカーが
台所に配慮していることが認められなければ市場は作れない。

▲多角化が成功するのは戦略が有効な場合に限られる。
企業が新しい事業を始めるに当たっては、企業全体のなかで、
個々の事業が果たすべき役割が明らかで、適切な資源配分や実行可能なアクションプランなど
有効な戦略があることが前提となる。



「多角化が成功するのは戦略が有効な場合に限られることである。

 自らの事業に含めるものを明らかにするものが戦略である。」


~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(第9章 マネジメントの戦略 41 多角化のマネジメント)



   


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