■労働における生理的な次元■~働くことには多様性が必要~


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仕事と労働(働くこと)とは根本的に違う。
ドラッカーはその労働には次の五つの次元があるとする。

●生理的な次元

人は言うまでもなく、機械のように働くことはできない。

機械のように一つの動作しかさせられないと、
心理的に退屈するだけでなく、肉体的に疲労する。
筋肉が疲労し、視力が落ち、反応が遅くなり動きにムラができる。

人は、その生理として、同じスピードとリズムで働くことに
適していない。
スピードとリズムが変化すると人はよく働ける。
しかし、そのスピード、リズム、持続力は、指紋のように人によって違う。

仕事は効果的であるように均一に設計しなければならないが、
労働には、このような人の生理を考慮して、
多様性を持たせなければならない。
労働の設計には、スピード、リズム、持続時間を変える余地を
残しておかなければならないのだ。

ドラッカーは、このような人の生理を考慮せずに、効率にのみ主眼をおいて
仕事の仕組みを作ってしまうと、働きずらい仕組みとなってしまうとする。


「仕事にとって優れたインダストリアル・エンジニアリングであっても、

 人にとっては最悪のヒューマン・エンジニアリングとなる。」

~P.F.ドラッカー「マネジメント」
(第3章 仕事と人間)












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